池袋アートギャザリング公募展 IAG AWARDS 2024
東京・池袋で開催される「第19回 池袋モンパルナス回遊美術館」のメイン企画として東京芸術劇場で開催される『池袋アートギャザリング公募展(Ikebukuro Art-Gathering Exhibition) IAG AWARDS2024』の出品作家を募集いたします。
池袋モンパルナス…それは池袋の都市としての原点です。かつて鉄道駅の開設により草原地に住宅や学校群が生まれ、その周縁に全国から創作熱を持った学生や芸術家が集まり、アトリエ村という自由区を形成しました。池袋は、交錯するジャンルを超えた情熱とその交流、切磋琢磨し合いながら創作に励み作家自身のアイデンティティーを強める魅力的な場所でした。当時の住人であった野見山暁治さんは「歯ぎしりのユートピア」と表現しています。
その池袋の街で毎年5月、さまざまなアーティストが集い、表現し、交流し、発信する舞台として、アートイベント「池袋モンパルナス回遊美術館」を開催しています。
そのメインイベントである「池袋アートギャザリング公募展 IAG AWARDS」は、現役で活躍する美術作家を審査員に迎え、地元ギャラリーや企業・団体、地方都市との連携による展示機会の提供、地域プロジェクトへの起用など、多くの作家の飛躍を支えています。
池袋モンパルナスの精神を引き継ぐ「国際アート・カルチャー都市」池袋での公募企画展に、多くの才能がチャレンジしていただくことを期待しています。
< 募集作品>
平面・立体・映像・マンガ的表現を取り入れた作品・インスタレーションなど、屋内ギャラリー展示が可能なオリジナル作品を募集いたします。詳しくは「募集要項」をご覧ください。
・テーマやジャンルの制約なし※/発表・未発表は問いません
※マンガ固有の表現である「フキダシ」「コマ割り」を取り入れ(いずれか一方でも可)新たなアート表現を実現している作品に対しては特別賞「漫喜利賞」を授与いたします
< 審査と各賞>
本公募展では、作品そのもののクオリティと合わせ、与えられた展示スペースを活かし、魅力ある展示であることも審査し、各賞を「作家」に授与いたします。従って、各次審査においても展示プランを重視した審査をいたします。
「漫喜利賞」について
本公募展は「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」を擁する豊島区の公募展として「マンガとアートの融合=展示するマンガ:漫喜利 ―MANGIRI」を新たな魅力とするべく発掘・発信に取り組んでいます。
本公募展各賞が「作家」に対して授与されるのに対し、本賞は、マンガ固有の表現である「フキダシ」「コマ割り」を取り入れる(いずれか一方でも可)ことによって新たなアート表現を実現している「作品」に対して授与いたします。
<審査員 >
・押元 一敏 <Kazutoshi Oshimoto> 画家 / 東京藝術大学美術学部 教授(審査員長)
・金丸 悠児 <Yuji Kanamaru> 画家 / C-DEPOT代表
・喜多 祥泰 <Yoshihiro Kita> 画 家 / 沖縄県立芸術大学美術工芸学部 准教授
・小路 浩 <Hiroshi Shoji> アートディレクター / 一般社団法人JIAN 代表理事
・松井 えり菜 <Erina Matsui> 美術家
・三橋 純 <Jun Mitsuhashi> 写真家 / 横浜美術大学教授
・山内 康裕 <Yasuhiro Yamauchi> 一般社団法人マンガナイト代表理事
・渡辺おさむ <Osamu Watanabe> 現代美術作家
<ディレクター >
・小路 浩 <Hiroshi Shoji> アートディレクター / 一般社団法人JIAN 代表理事
< 主催 >
池袋モンパルナス回遊美術館実行委員会
(NPOゼファー池袋まちづくり/立教大学/株式会社東武百貨店/株式会社そごう・西武/豊島区 ほか)
< 共 催 >
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
< 企画・運営 >
池袋モンパルナス回遊美術館実行委員会事務局(一般社団法人としまアートカルチャーまちづくり協議会)
< 協 力 >
公益財団法人としま未来文化財団
入選者による展覧会
IAG AWARDS 2024 EXHIBITION
5月24日[金]~6月2日[日]
東京芸術劇場5階 ギャラリー1&2
「第19回 池袋モンパルナス回遊美術館」 のメイン企画として
入選作家たちによる美術展を開催!
展示作品を対象とした様々な視点によるアワードの授与
来場者投票によるオーディエンス賞も決定!!
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【 IAG賞 】
優れた展示をした作家へ大賞・準大賞・奨励賞などを授与
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【 漫喜利賞 】
マンガ的モチーフを取り入れたアート作品に対する賞
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【 豊島区長賞 】
高際みゆき豊島区長が選出、豊島区立熊谷守一美術館での個展開催の権利を授与します
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【 オーディエンス賞 】
来場者投票によって選出される賞
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【 都市間提携特別賞 】
・裏小樽モンパルナス特別賞 裏小樽で実施するアーティストインレジデンスに招待します
・長野市芸術館特別賞 長野市芸術館の企画グループ展に招聘作家として出品する権利を授与します
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【 IAGパートナーズ各賞 】
本公募展を応援してくださる豊島区内外のギャラリーなどによる賞
エントリー料 | 3,000円(税込) |
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応募条件 | 日本に活動基盤をもち、入選者による展覧会(下記)に出品可能であること ● 本展示期間中、3日以上は在廊可能であること ● 年齢・国籍・ジャンルは不問 ● 作家自身、またはその代理人が、本展示の搬入設営、撤去搬出を行えること ※搬出入に運送業者を利用する場合、荷物の受け渡しについては事務局が代行可(二次審査については応相談) |
作品条件 |
● 平面・立体・映像・マンガ的表現を取り入れた作品・インスタレーションなど、屋内ギャラリー展示が可能なオリジナル作品を1点以上(展示条件内での点数上限なし) ・テーマやジャンルの制約なし ・発表/未発表を問わず |
展示条件 |
● 壁面展示/壁面のみを使った展示:横3✕高さ3.3メートル以内 ● 空間展示/壁面を使わない展示:横2.5✕高さ3.3✕奥行き2.5メートル以内 ● 複合展示/壁面と空間を両方使う展示:横2.5✕高さ3.3✕奥行き2.5メートル以内 ※上記サイズにはいずれも左右余白含まず ※床置きや天井吊下げ展示も可(素材や重量によっては要相談) ※壁面への展示は、原則ピクチャーレールからのワイヤー吊下げで釘打ち不可。但し、虫ピンや画鋲程度までであれば可 |
応募方法 | 当サイトのエントリーフォームより |
締 切 | 2024年3月23日[土] |
審 査 | 本公募展では、作品そのもののクオリティと合わせ、与えられた展示スペースを活かし、魅力ある展示であることも審査し、各賞を「作家」に授与いたします。従って、各次審査においても展示プランを重視した審査をいたします。 下記審査を実施し、通過した方には東京芸術劇場で開催される「IAG AWARDS 2024 EXHIBITION」への出品権を授与いたします。 |
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審査方法 |
● 一次審査:データ審査(作家、作品情報と展示予定プランを専用フォームより提出) ● 二次審査:展示予定作品の実見審査(二次審査会場での作品展示) ※一次・二次審査ともに、審査員団の協議によって行います |
選出人数 | 全部門あわせ50名前後を予定 |
展覧会名 | IAG AWARDS 2024 EXHIBITION |
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会 期 | 2024年5月24日[金]~6月2日[日] 11:00-19:00 ※最終日 16:00まで |
会 場 | 東京芸術劇場5階 ギャラリー1&2(〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1) |
一次・二次審査を通過した作家たちによる展覧会「IAG AWARDS 2024 EXHIBITION」において、実際の作品展示をIAG審査員団の協議により審査し、様々な視点によるアワードを授与するものです | |
種 類 | ①IAG賞(大賞、各審査員賞、奨励賞など) ②漫喜利賞(フキダシ・コマ割りを取り入れた作品=漫喜利作品として選出) ③豊島区長賞(高際みゆき豊島区長による選出) ④オーディエンス賞(来場者投票によって選出) ⑤都市間提携特別賞 ・裏小樽モンパルナス特別賞 ・長野市芸術館特別賞 ⑥IAGパートナーズ各賞(本公募展を応援してくださる豊島区内外のギャラリーなどが選出) ・東武池袋ギャラリー賞 ・アトリエムラギャラリー賞 ・ギャラリー上り屋敷賞 ・Gallery KAMON Irie賞 ・ギャラリー路草賞 ・栗原画廊賞 ・シアターアートショップ賞 ・C-DEPOT賞 ・ターナーギャラリー賞 ・名村大成堂賞 ・八犬堂ギャラリー賞 ・B-gallery賞 ほか |
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受賞特典 | ・いずれの賞も、賞金の授与は伴いません ・IAG各賞、オーディエンス賞は、特定の権利やメリットを約束するものではありません
・豊島区長賞は豊島区立熊谷守一美術館での個展開催権を授与します |
発表方法 | 「第19回池袋モンパルナス回遊美術館」会期中に会場及び本ウェブサイト上で発表。(オーディエンス賞のみ会期後に本ウェブサイトにて発表) ※会期中に授賞式も実施予定 |
I A G 審 査 員
<審査員長>
押元 一敏 / Kazutoshi Oshimoto
東京藝術大学美術学部 教授 / 画家
1970 千葉県生まれ
1995 東京藝術大学美術学部デザイン科 卒業
1997 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程 修了
2000 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程 満期退学
2010-2013 横浜美術大学 准教授
2013- 東京藝術大学美術学部 准教授
2024- 東京藝術大学美術学部 教授
日本美術家連盟会員
喜多 祥泰 / Yoshihiro Kita
画 家 / 沖縄県立芸術大学美術工芸学部 准教授
1978 徳島県生まれ
2006 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻(日本画)修了(美術博士)
2021- 沖縄県立芸術大学美術学部 准教授
創画展会友(創画展奨励賞受賞・春季創画展春季展賞受賞・ will+s展奨励賞受賞)
全国で個展70回以上開催
金丸 悠児 / Yuji Kanamaru
画家 / C-DEPOT代表
1978 神奈川県に生まれる。
1997 桐蔭学園高等学校卒業、東京藝術大学デザイン科に入学。在学中は、劇団に所属し舞台美術、宣伝美術、映像制作を担当する。その他、知人のコンサートチラシのデザインを行うなどして、自身の可能性を模索する。
2001 同大学の東京藝術大学大学院(大藪雅孝)研究室に進学、大藪雅孝、中島千波の元で指導を受ける。
2002 杉山治とともにアーティスト集団「C-DEPOT」を設立、代表を務める。創立以来現在に至るまで、1年に1度開催する「EXHIBITION C-DEPOT」のプロデュースを手がけている。
2003 東京藝術大学大学院修了後、プロの画家として活動開始。
2004 クリエイターチーム「ebc」の一員として、ebcアトリエの創設から携わる。
現在は、百貨店や画廊を中心に発表を行い、作品は動物や建物などを題材に独自の表現と手法で創作している。また、社会におけるアーティストのあり方を追求し、様々な活動にも挑戦している。
小路 浩 / Hiroshi Shoji
アートディレクター /(一社)JIAN代表理事
1965年 東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。
広告業界ディレクター、プロデューサーを経て、2010年、美術業界の広告デザインと若手作家の美術作品販売を主業務とする株式会社八犬堂を設立。
2011年、画家の泉東臣をリーダーとする日本藝術大学出身の日本画作家たちのグループ展を母体に、大規模アンデパンダン展「KENZAN」をスタートさせ、以降毎年開催。
2016年、八犬堂代表を辞任し、日本の芸術創作環境向上を目的とする美術作家団体 一般社団法人JIANを設立し代表理事に就任。以降、JIANがKENZANの主催団体となる。
2017年、池袋モンパルナス回遊美術館のメイン企画として「池袋アートギャザリング公募展 IAG AWARDS」をスタートさせ、以降毎年、チーフディレクターとして、企画運営を手掛ける。
その他、ファインアーティストを起用する様々な企業や地域とのコラボプロジェクトを多数手がける。
松井えり菜
美術家
1984年岡山県生まれ。東京都在住。
2010年 東京藝術大学大学院絵画専攻油画専攻修了。
松井えり菜にとって、自画像はコミュニケーションツールであり最も身近なモチーフである。GEISAI6にて金賞を受賞した『エビチリ大好き』に代表される変顔作品は、濃厚な実体験を通して、他者と笑いや感情を共有したいという想いをキャンバスに描き出している。
デビュー時より自画像表現の可能性の模索を続け、近年は直接的に顔を描写する表現に留まらず、幼少期に油絵に触れるきっかけとなった西洋画と少女漫画をコマ割りで繋ぎ合わせる「古典回帰」シリーズ、今を生きる女性の感情を可視化する層を描いた「レイヤー」シリーズ、自身の分身ともいえる「ウーパールーパー」をモチーフにしたシリーズなど、幅広く制作に取り組んでいる。主な展覧会に「J’en reve」(カルティエ現代美術館、2005)、「松井えり菜~大原美術館をおもちゃ箱に」(大原美術館、2012)、「ROAD SWEET ROAD」(クンストラーハウスベタニエン、2013)、「高橋コレクションミラーニューロン」(東京オペラシティアートギャラリー、2014)、「顔の惑星」(鹿児島県霧島アートの森、2016)、「令和おとぎ草子 桃太郎 KAMISHI By 松井えり菜」(岡山県立美術館、2020)など国内外で精力的に活動している。
三橋 純 / Mitsuhashi Jun
横浜美術大学教授 / 写真家
1990-94 博報堂フォトクリエイティブ(現 博報堂プロダクツ)
1995 朝日広告賞 準朝日広告賞
1999 日本大学大学院芸術学研究科博士課程単位取得満期退学
2000-07 千葉大学工学部画像科学科 多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース 東京ビジュアルアーツ 埼玉県立芸術総合高校映像科など 非常勤講師歴任
2001 日本写真芸術学会 第1回奨励賞 受賞
2001「1990年代の現代日本写真」展参加ブタペスト郊外に参加
2002 東京都写真美術館「映像体験ミュージアム」に出品
2011 個展「Qualia」Gallery Niepce, nagune
2015 個展「末那識」PhotoGallery MOMOZONO
その他 個展・グループ展 多数
所属学会:日本写真学会 日本映像学会 日本写真芸術学会
山内 康裕 / Yasuhiro Yamauchi
(一社)マンガナイト代表理事
1979年生。法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科修了。
一般社団法人マンガナイトにて「これも学習マンガだ!」事業(日本財団助成)を推進。
2019年には「東アジア文化都市2019豊島(豊島区・文化庁)」マンガ・アニメ部門事業ディレクターを務めた。マンガ関連の企画会社レインボーバード合同会社代表社員、さいとう・たかを劇画文化財団代表理事、文化庁メディア芸術連携基盤等整備推進事業有識者タスクチーム員、国際マンガ・アニメ祭ReiwaToshim(IMART)共同委員長、日本マンガ学会監事他を務める。
共著に『『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方』(集英社)、『人生と勉強に効く学べるマンガ100冊』(文藝春秋)など。
渡辺おさむ / Osamu Watanabe
現代美術作家
2003年 東京造形大学 デザイン学科卒
スイーツデコの技術をアートに昇華させた第一人者として「東京カワイイTV」(NHK)や「徹子の部屋スペシャル」(テレビ朝日)等にもとりあげられる。本物そっくりのカラフルで精巧なクリームやキャンディ、フルーツなどを用いた作品は国内はもとより海外でも注目を集め、中国、インドネシア、イタリア、ベルギー、トルコ、アメリカ、韓国などでも個展が開催され話題を呼ぶ。3冊の作品集や著書が出版されたほか、大原美術館や笠間日動美術館など国内9ヶ所の美術館に作品がコレクションされている。
●パブリックコレクション
大原美術館
清須市はるひ美術館
山ノ内町立志賀高原ロマン美術館
高崎市美術館
おかざき世界こども美術博物館
平野美術館
大原こども美術館
笠間日動美術館
酒田市美術館
●著書
作品集「SWEET OR UNSWEET?」 BNN新社
「OSAMUWATANABE POSTCARD BOOK」パルコ出版
「渡辺おさむスイーツデコメソッド」誠文堂新光社
下記フォームに必要な内容を入力し【エントリー】ボタンを押すと、入力されたメールアドレス宛に「作家/出品作品/展示プラン」を入力するための作家専用ページURL/パスワードが送信されます。
必ず内容を確認していただき期日までに、ウェブページから「エントリー料」とあわせ、必要情報のご入力をお願いいたします。
●取得した個人情報は、必要な連絡のみに利用させていただくもので、これらの目的以外では利用いたしません。取得した個人情報は適切に管理し、本人の同意が得られた場合や法令により開示が求められた場合を除いて第三者に開示することはありません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。●作家/作品情報の管理は「JAPAN INDEPENDENT ARTIST NETWORK (一般社団法人JIAN)」のデータベースサーバにて行っています。
入選アーティスト
◇I A G 賞
入選者の中からIAG審査員が本展示を審査し、合議により決定いたします。
<総 評> 審査員長 押元 一敏 <東京藝術大学美術学部教授 / 画家>
今年で8回目を迎え、年々展覧会全体の質が向上していることがみてとれました。中には続けて応募している人もおり、前回の反省を踏まえて成長したかたちで出品してくれたことは、本当に嬉しいかぎりです。まとまってみえる一方で、これは長く続けたことによるのかもしれませんが、良くも悪くも飛び抜けた作品に欠ける点についても否めません。毎回、審査に関わらせてもらうことで皆さんの作品から刺激をもらっていますので、更に我々の想像を超えた作品とその熱意に期待する次第です。
IAG賞には賞金がないため名誉という意味合いが強いです。本来それも必要なく入選して展示できるだけで十分なのではないかとも思いますが、やはり一人ひとりが作品に対する想いも強く、挑戦した結果に対して認めていくことで今後の励みになればと考えています。もちろんそれによって選ばれなかった人もいる訳ですが、審査員が変われば結果も違うように見方はそれぞれ違いますので自信を持ってこの先も続けてもらいたいと願います。何よりも様々な作品が並ぶ中で自分の作品を客観的に捉える機会のためにご応募いただき、皆様の将来の糧になれば幸いです。
IAG大賞
温井大介さんの作品は二次審査で現物を観た時から既に気になる存在でした。その大きさも然り、主題や筆致の力強さも重なって1点のみで明確に狙いを主張できる作品であるということは間違いなでしょう。意外にも多くの審査員も同様の意見を抱いていたことからグランプリに相応しいと決めました。
IAG審査員長 押元一敏(東京藝術大学美術学部 教授 / 画家)
「絵画が死なない理由」を探し、表現を模索している温井大介。
美術史上、「絵画は死んだ」と何度も言われてきた。写真の登場、コンセプチュアルアートの台頭など、新しい表現が出るたびに絵画は死んだと言われ、昨今はAIの出現により再び「絵画は死んだ」と言われる風潮が出てきている。しかし、長い歴史の中で何度も死にそうになっても、絵画は死なない。
「死なない絵画」とは、まさに温井大介が提唱するような静物画、人物画、風景画の絵画の基本様式なのではないだろうか。根源的な絵画表現は、どんなに新しい考えやメディアが出てこようとも、その強さを持つ。
本展に出品された作品「still life, figure, landscape」は、150号の巨大なキャンバスにどっしりとした人物が中央に鎮座し、同じ画面に風景と静物画が力強い筆致で描かれている。目まぐるしくトレンドの変わる現代美術の世界で、絵画の根源的エネルギーを持つ「死なない絵画」として圧倒的な存在感を放ち、見る者を圧倒させる。
IAG審査員 渡辺おさむ(現代美術作家)
この度このような名誉ある賞をいただき、審査員の皆様、関係者の皆様に御礼申し上げます。
美術史や美術評論等で言われる「絵画の死」と、それでも「絵画が死なない理由」を修士論文で自分なりに研究していました。その中で、まず時代を遡って「誰もが絵画が死ぬとは考えていないであろう時代」の事を思って作品を描くことで、自身の基礎的な部分を見つめ直したいというのが、この二層構図(プラトー構図)で静物・人物・風景を描く様式です。まだまだ実力不足ですが、今後少しずつ納得のいく形で発展させたいと考えています。
様々な表現形態の作品がある中で、平面作品での受賞と審査員の方々に頂いた様々なお話は、「絵画が死なない理由」を改めて想起し考える、かけがえのない機会になりました。
最後になりますが、展示や応募の際の暖かいご対応もIAGの魅力だと感じています。事務局の皆様、出展者の皆様には、展示の際お世話になり、大変ありがとうございました。
温井 大介
準IAG大賞
川原井康之さんの作品は、昨年の奨励賞から一歩前進して準グランプリとなりました。拝見して直ぐに昨年の作品が思い浮かび、間違いなく独自のスタイルが確立されており、技術的にも安定感がありました。前回の展示を観た上で自分なりの反省と学びに基づいて今回挑戦したと作者が言うように、明らかに向上したといえるでしょう。
IAG審査員長 押元一敏(東京藝術大学美術学部 教授 / 画家)
この度は多くの作品の中から準IAG大賞に選んで頂き、まことにありがとうございます。昨年の反省を踏まえ、作品の質の向上とともに、作品と同じタイトルの自作の掌編小説を展示したり、木目調のキャプションを使用する等、観た人が作品の世界にもっと深く没入できるよう工夫致しました。そうした点も今回の前進として評価して頂けたのではないかと思っています。
今回の結果を励みに、より一層良い作品を制作できるよう努めてまいります。
川原井 康之
丸山純さんの作品は、独創的且つ温かみのある形で何処か人間の持つ懐かしさを想起させ、その魅力に惹きつけられました。展示のあり方がその魅力をうまく発信できていたのかといえば疑問を感じたため、今後の期待の意味も含めて準グランプリとなりました。
IAG審査員長 押元一敏(東京藝術大学美術学部 教授 / 画家)
この度は、私の作品が準IAG大賞を受賞するという大変光栄な機会をいただき、誠にありがとうございます。この公募展に参加することができたのは長野市芸術館で開催された『市内作家によるアートグループ展2023』での賞与として、IAG AWARDS 2024に出展する権利を頂けたためです。審査員の皆様、そしてこの公募展を開催してくださった全ての関係者の皆様に感謝申し上げます。
自分の追求してきた形としての表現が評価頂けたこと、一方で展示方法についての課題など、今後制作していくうえで私にとって大きな励みとなりました。
この度の受賞を機に、一層努力してまいります。ありがとうございました。
丸山 純
丸山純さんの作品はお世辞にも華やかとは言えない、アート公募展に必要とされる「目立つこと」や「大きいこと」からはかけ離れたものといえます。そのような特性にも関わらず、IAGにて準グランプリを勝ちとれたのは、一重にプリミティブな造形に魅力が集約されていたからに他なりません。
作品の特徴は、動物のようではあるが要素が削ぎ落とされ抽象化されている、そして土偶や縄文土器を彷彿とさせる紋様と独特なフォルムが印象的です。その霊的な存在感に、見る人々は畏怖や尊さを感じてしまうのではないでしょうか。
その造形センスは丸山さん独自のものですので、これからも絶え間なく作品を生み出していただきたいと思うばかりです。
IAG審査員 金丸悠児(画家 / C-DEPOT代表)
IAG奨励賞
岡村あい子 <Okamura Aiko>
1999年 / 神奈川県生まれ
2024年 武蔵野美術大学大学院油絵コース 修了
2022年 武蔵野美術大学油絵学科油専攻 卒業
2018年 フェリス女学院中学高等学校 卒業
主な技法:アニメーション
IAGの初期から主に写真や映像、アニメーションなどの作品に注視して来ましたが、過去にも作品の密度や完成度の高い作品はあっても、なかなか会場展示という空間において効果的な展示に至らず、平面作品や立体作品を上回る評判に至りませんでした。今回IAG奨励賞に選出された岡村さんの作品は、描画表現から出発した経緯を持つアニメーションへの展開、そしてインスタレーションへの可能性にチャレンジしている熱意が強く感じられました。描画における筆の運びや掠れ、絵の具の重なりは、キャンバスを抜け出し動画表現となっているのです。自身でも語っているように“絵画としてのアニメーション”表現は、岡村さん自身の心の動きを“時間”という尺度の中で、蠢き、震え、変容している作品へと昇華しているように感じます。移ろいゆく現実とそれに呼応するかの様に揺れ動く作者の心境は、日常的なふとした視線の先に、儚い瞬間として生を感じているようです。岡村さんの作品には危うさような息遣いを感じ、私たちは爪痕を見つめる様に釘付けにされるのです。自画像から聞こえてくる時間のヒダが、私たちに存在や現在を突きつけてくるようです。精力的な創作活動を今後も見守り、是非新作を期待したいと思っております。
IAG審査員 三橋純(横浜美術大学教授 / 写真家)
この度は奨励賞をいただきありがとうございます。この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。至らない点も多々ある中で、IAGに携わる多くの方々にサポートして頂き、自分にとってかけがえのない経験を得ることができました。
「アニメーション」そして「アニメーションの展示」はまだまだ発展途上の、大きな可能性を秘めた畑だと信じています。IAGでの学び、そして「奨励」を胸に、これからも作家としての歩みを止めずに精進してゆきます。
またどこかで、お会いできることを楽しみにしています。
岡村あい子
モノクロームの画面に繊細な筆致の小花が舞い散っているダンさんの作品は、暗がりの二次会場で一際目立っていました。コントラストが強いからかな?と近づくと遠くからでは見えない高度なペン画テクニックが画面中に敷き詰めてあり、圧巻の構成力は観るものを魅了しました。今作は、初めて描いた大作とは思えない存在感を放っており、マンガ・アニメの街である豊島区のコンペティションに相応しい作品であると感じました。
これからもペン画に留まらず様々な技法にも挑戦し、作風の幅を広げ積極的に作品制作を続けて欲しいと願っております。
IAG審査員 松井えり菜(美術家)
この度、IAG奨励賞を受賞することができ、大変光栄に思います。
私は漫画の表現方法が大好きで、作品にその独特の「面白い感覚」を取り入れることで観者に楽しんでもらいたいと考えていました。深く考えた末に自分のスタイルを確立しましたが、展示の際にはまだ未成熟な部分もありました。制作時は「描きたい」という気持ちを優先して自由に描いたため、最終的な結果が良かったことに安堵しています。人生は後戻りできませんが、やりたいことがたくさんあります。これからも「描きたい」作品をすべて形にしていきたいです。
この展示は私にとって非常に意義深いものでした。また、参加した他の作家たちと交流し、多くのことを学び、大いに刺激を受けました。今後も水性ペンや他の素材を組み合わせて、より優れた作品を制作していきたいと思います。
最後に、この展覧会に関わったすべての審査員の皆様とスタッフの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
DUANHAOYUE
中根隆弥氏の作品には、観客が足を止め覗き込み、調べるようにしていろいろな方向から眺めて時間を過ごし楽しんでいました。少し離れてみていた私には、そこには原初からある禁領域があり、訪れる人は普段はながめてはいけないルールは知っているけど、今は見てもいい時だから存分に探っています、という不思議な体験をしているように映りました。とても印象に残る作品であり、展示だったと思います。
中根氏の作品は、自身が使用した道具類と、それを保管する倉庫の所有者との物語が投影されているように感じます。中根氏の道具と農具の組み合わさった「何か」は、その筆が残す筆致の粗雑さから、どこか呪術的であるようにも見えます。一方で、壁にかけられたオブジェは対照的に寡黙な印象を与えていたように思います。配置はやや地表や道具類より離れて上にあることで、「粗雑とそうでないもの」の見事な対比を生み出していました。中根氏の魅力は、彼自身も言語化できないフィールドワークによって得られた、二項対立のはざまであるように感じました。過去の道具である農具と、中根氏の現在の道具が、今後どのような未来を描くことになるのか、いろいろな方向から眺めて楽しみたいと思います。
IAG審査員 喜多 祥泰(沖縄県立芸術大学美術工芸学部 准教授 / 画家)
この度は、IAG奨励賞を頂戴し誠に光栄に思います。本展示では、多くの学びがあり今後の課題も再発見できました。また、入選された作家の方々とのコミュニケーションを通して、作品の表現方法だけでなく、作品制作における考え方や付き合い方などを多角的な視点で捉え直すきっかけとなりました。今回いただいた貴重な経験を今後の作品制作に昇華・深化させ、わたしが目指す「生の芸術」を創り続けます。ありがとうございました。
中根隆弥
有理yuri氏の作品には愛がありました。会場で出会った親子群像には、誰もが心を温かくし原風景を思い起こしたことと思います。主題はメッセージ性が強くとても目を引く作家性に感じますが、絵画的には全く違うところを評価しています。
画面はパステル等を巧みにあつかい平滑に扱われていますが、光や影は描いておらず、境界線とでもいった方がいいような、線を印象つける補足的な描写にとどめられています。必要最小限ともいうべき彩色は、全体を調和させて、印象的な画面作りを成功させています。言い方をかえると、ある意味で極めて禁欲的な描写であり、牧歌的なテーマに緊張感を与え清々さを感じさせており、素晴らしい表現者だと感じました。
展示としては、同じサイズのパネルを繰り返し用いることで親子群像と物語を強調できていたと思いますが、親子群像ではない愛までは示せていないのではないかという点で奨励賞にとどまりました。「夢の如く、影の如く」のような別の質感の作品によって、対比構造を投影できると、展示の可能性は広がるように思います。
IAG審査員 喜多 祥泰(沖縄県立芸術大学美術工芸学部 准教授 / 画家)
今回の作品には、私自身の親子関係の中で感じた愛情や執着、孤独といった非常にプライベートな感情が込められています。これらの温かさと悲しさが交錯する気持ちを抱きながらも、両親が私を愛していること、そして私も父と母を愛していることを深く理解しています。この作品を通じて、私個人の思い出から親子関係に普遍的に存在する感情を、誇張せずに落ち着いた雰囲気で表現したいと思いました。
この度、IAG奨励賞を受賞できたこと、そして喜多先生から評価をいただけたことに対し、心より感謝しております。まるで私の気持ちが少し共鳴したかのように、温かく感じております。
有理
◇漫喜利賞
入選者の中から、漫喜利審査員が本展示を審査し決定いたします。
漫喜利賞
今回、該当者なしとなりました。漫喜利奨励賞
現代の若者にとっての社会との繋がりは、スマートフォンでの画面越しのSNSのタイムラインだとすると、時間は縦に流れています。最近ではスマートフォンで読むマンガも、縦スクロールで時間を流すのがグローバルでは一般的になっています。マンガの新しい形式と社会性を見事にシンクロさせており、マンガ×アートの「今」を表現している良作だと思います。マンガでは使われないレイヤー構造もビジュアライズの観点から新鮮かつ効果的なだと思います。 SNSのタイムラインも縦スクロールマンガも見ることができる範囲は一瞬に過ぎない、その刹那をどう落とし込むか、掛け軸状の出力よりもう一歩踏み込んだ可能性がある気がしましたので、今後に期待しています。
漫喜利審査員 山内 康裕((一社)マンガナイト代表理事)
漫喜利奨励賞に選んでいただき、ありがとうございます!
世界の現代アートが担っている役割は、日本ではマンガが担っているとかねてから考えていたので、漫喜利部門での受賞を本当にうれしく思っています。
近年、横読みマンガは読み方が難しいと言われ始め、縦スクロール型のマンガが世界的に流行り始めています。横と縦のマンガ手法が、今後どのような発展を見せるのかも楽しみにしつつ、自作を発展させていきますので、 引き続き、応援の程、よろしくお願いいたします!
オーマ
マンガとしても読みやすさ、集合体としての作品のまとまり、マンガへの理解度とアートとしてのフィジカルな仕上げが、高水準で昇華していて、良作だと思います。故に、ある意味オーソドックスにマンガ×アートを具現化した作品とも言え、もう一歩マンガらしく驚きが欲しかったです。マンガ×アートで高水準の作品を作られる素地ができていると感じましたので、今後に期待しています。
漫喜利審査員 山内 康裕((一社)マンガナイト代表理事)
この度は漫喜利奨励賞をいただき審査員並びに関係者一同様に深く御礼申し上げます。偶然見た公募展の漫画というキーワードが目に止まり、追い求めているアートスタイルで提案できると思い立ち、想起から展示まで何かに導かれるまま出展参加に至りました。今後もアートカルチャーという個性を発揮する活動が世の中を明るく照らすことを願いつつ、今回の激励のようなご評価を足掛かりに新たな風を吹かせつづけます。stay up!
JAGGYBOX
◇豊 島 区 長 賞
高際みゆき豊島区長が選出。豊島区立熊谷守一美術館での個展開催の権利を贈呈いたします。
岩本 依留羽 <Metal casting artist>
1992年 / 愛知生まれ
2016年 東京藝術大学工芸科鋳金研究室 卒業
2018年 東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻鋳金研究分野 修了
主な技法:鋳造 (真土込め型鋳造法、石膏鋳造法)
岩本さんの出品は3点とも完成度が高く素晴らしいものでしたが、特に「つつむヒト(技法:ブロンズ)」を見た瞬間に、独特なフォルムがなんとも可愛らしく、親しみやすさがあり、心がとても安らぎました。また、創造的なビジョン、地域社会へのつながり、芸術を通じて変革をもたらす強い力を感じ、岩本さんを豊島区長賞に選びました。
岩本衣留羽さんの今後の活躍に期待しています。
高際みゆき豊島区長
この度は豊島区長賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。私は他者と関わることで起きた自分自身の変化をテーマに作品を制作しております。今回の賞を賜ることにより、さらなる自分自身の変化を楽しみながら新しい造形へと昇華していきたいと考えております。本来であれば直接御礼を申し上げるべきところですが都合によりそれが叶わず、この場をお借りして高際みゆき豊島区長に心より御礼申し上げます。
岩本 依留羽
◇オーディエンス賞
展示期間中に実施される来場者投票で多くの票を集めたアーティストに贈られる賞です。
オーディエンス賞(1位)
我が家のいたずらうさぎが、大勢のお客様に「いいね!」と思っていただけたこと、大変嬉しく光栄に存じます。
台風などの影響でお足元の悪い日が多い中IAGにお運び下さいました皆様、IAG関係者の皆様、出展作家の皆様、支えてくれている家族友人、そしていつも面倒くさそうに手伝ってくれていたモデルのちびちゃんに、心より感謝申し上げます。
藤田 育代
準オーディエンス賞(2位)
張 瑞麟 <>
1996年 / 中国生まれ
2024年 東京藝術大学 大学院美術研究科デザイン専攻 博士課程 2年
2022年 東京藝術大学 大学院美術研究科デザイン専攻 修士課程 修了
主な技法:インスタレーション
IAG24では、準オーディエンス賞をいただきありがとうございました。
大学院生の頃から、雨の風景をテーマに作品を制作してきましたが、近年、研究者の視点から考えようとし、雨の風景をインスタレーションで再現する意味に悩むことが多くあります。雨のような自然現象は非常に美しく興味深いもので、人々の関心を引くものだと思います。しかし、インスタレーション作品である以上、その現象を物理的に再現するだけでなく、その魅力をよく理解することで、体験者に感動と喜びを伝えることが大切だと思います。そこで、作品の制作とフィードバックを通して、雨という現象の魅力をどう捉え、インスタレーションアートの表現力をどう活かしていくことを模索していきたいと考えています。
また、IAG24展の際には、会場に来てくださった皆さんからたくさんの励ましをいただい、同僚から多くの助けをいただき、他分野の先生方からも貴重なご意見をいただいて、とても感謝しております。今後も作品を作り続けていきたいと思います。
張瑞麟
- 以降の順位(10位まで)-
3位
4位
5位
6位
7位
1992年 / 愛知生まれ
2016年 東京藝術大学工芸科鋳金研究室 卒業
2018年 東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻鋳金研究分野 修了
主な技法:鋳造 (真土込め型鋳造法、石膏鋳造法)
8位
1997年 / 神奈川県生まれ
2021年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻 卒業
2023年 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース 修了
主な技法:油彩
9位
10位
◇都市間交流特別賞
豊島区が推進するアートによる都市間交流。ことしは2エリアに参加いただきました。
裏小樽モンパルナス特別賞
築百年の建物を含む小樽の古い建物をレンタルアートスペース、テナント、民泊にリノベーション、小樽の古い街並みを保存しながら地域を活性化させるプロジェクトが「裏小樽モンパルナス」。
受賞者にはアーティストインレジデンスの権利が授与されます。
この度は、裏小樽モンパルナス特別賞を頂戴し誠に光栄に思います。わたしが作品制作で扱う素材はファウンド・オブジェです。いまやファウンド・オブジェと一言で表しても多岐に亘りますが、わたしはそれらが持つ使用者の記憶や時の集積を作品の一部として、いまのわたしを創る一部として融解させたいのです。その点でも、北海道小樽市に残る歴史的建造物やその土地で過ごした人々の記憶が残る街での素材収集、滞在制作および展示は、わたしにとって特別な意味を持たせてくれます。小樽市そのものが経験してきた歴史や文化、人々の記憶と時の集積が、わたしを構成する一部となることを想像すると全身に至る心地のよい震えが止まらなくなるのです。小樽市が内包する「モノたち」が新たなわたしを創り上げ、そこから生じる荒々しい衝動と本能が新たな価値を体現させます。本レジデンスでは、地域コミュニティの方々との関わり合いについても積極的に行い、作品制作を行いたいです。
よろしくお願いいたします!
中根 隆弥
長野市芸術館特別賞
文化芸術と出会い、ふれあい、創り出す 長野市民の文化芸術交流拠点。
世界で活躍する建築家の槇 文彦氏が設計を手がけた文化複合施設です。
受賞者には長野市芸術館で開催されるグループ展に招聘作家として参加する権利が授与されます。
川原井康之さんは、大きく分けて2つのモチーフを軸にリトグラフ技法とペン画を用いて表現している作家さんです。抽象的な「流れ」、具体的な「家」。この2つをベースに創る川原井さんの作品からは日本的な余白を感じられる作品が多いと思います。各作品へコンセプトがじっくりと昇華され、繊細な描写と淡い色彩が織りなす独特な世界観がとても素敵だと思い、選出させていただきました。
長野市芸術館
この度は長野市芸術館特別賞を頂き、まことにありがとうございます。準IAG大賞と合わせて、本当に嬉しい限りです。
長野県には高校時代に校外学習として戸隠まで伺ったことが一度あります。当時は雨が降り、靄がかった中でスケッチをしました。輪郭がぼんやりとする山中に朦朧体のような印象を抱きました。長野市芸術館はその麓を下った方にあると聞き、ご縁を感じます。
作品を多くの方たちに観て頂くと共に、長野の空気に触れ、制作の糧にしたいと思っております。
川原井 康之
ヒョーゴコーイチさんは、炭化彫刻という無塗装の炭の美しさを追求しながら制作している作家さんです。ヒョーゴさんの作品は、全体を俯瞰して見ることで感じる造形的な美しさが特徴だと思います。人工的な規則性ではなく有機的な曲線と素材が持つ力強さによって、ある種の規則性と自然へ回帰するようなミニマルな空気感が素敵だと感じ、選出させていただきました。
長野市芸術館
東京芸術劇場の空間で作品を吊り下げてみたい!と思い応募させて頂き展示が実現したうえに、このような賞をいただきまして誠にありがとうございます。自分の扱う素材に対する意識や意味を改めて考えることが出来ました。関係者の皆様、協力していただいた皆様、ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。今回の経験を糧に、制作を続けて参ります。
ヒョーゴコーイチ
◇IAGパートナーズ賞
豊島区外のギャラリー等美術関連団体による賞。個展やグループ展への起用によりIAG作家の才能を全国に発信していただきます。
協同組合美術商交友会賞
全国に70画廊の会員を持つ美術商団体。ディーラーズオークションの主催するほか、新進作家の発掘育成にも積極的に取り組んでいます。
淡い色彩による夢のような作品が目を引きました。確かな画力と中国の伝統的水彩技法を用いているというところも興味深いです。今後の活動を楽しみにしています。
協同組合美術商交友会 佐々井智子
美術館でしか見られないアート作品だけでなく、本のように手に取られ、見る人と一緒に時間を過ごし、お互いの心に触れ合うものを作りたいと思っています。しかし、こういった思いから作った作品が本当に認めてもらえるのかと、ずっと自信がありませんでした。この度、IAGの応募にも再三迷い、最後には思い切って申し込みました。今回、協同組合美術商交友会賞をいただけたことは、作品の発表を始めた私にとって大きな励みとなりました。
日本にいて、常に新人作家に対する非常に温かい発表の環境を感じています。このような素晴らしい雰囲気を大切にし、これからもさらに努力してまいります。
有理
八犬堂ギャラリー賞
中央区京橋を拠点に、若手作家を多数起用する展示企画を百貨店を中心に全国的に展開する有名ギャラリーです。
この度は八犬堂ギャラリー賞を頂き大変嬉しいです。
IAGは他にはない形式の公募展であり、これからの作品作りや活動にすごく参考になる良い経験でした。
今回私が展示した作品たちは主に「繋がり」を意識して描いたもので、まさにその通りの人と人、時間と時間、空間と空間の繋がったすごく有益な展示でした。
これからももっと精進して、人に感動を与える作品を作りたいと思います。
Kwon YoungJin
◇池袋モンパルナス 各ギャラリー賞
池袋エリアを代表する各ギャラリーや企業、商業施設等による賞です。
※決まり次第の順次発表となります。
東武百貨店ギャラリー賞
東武百貨店池袋店5階、国内外の巨匠から人気若手作家まで、幅広い企画展を常時行う歴史ある画廊です。
この度は素晴らしい展示機会をいただき、また東武百貨店ギャラリー賞という素敵な賞をいただけたこと、誠に光栄に思います。これからも自分の手と頭を頼りに探求を続け、よりおもしろく作品を制作してまいります。 展示にあたりお世話になったIAGの皆様、出品作家の皆様、展示にお越しくださった皆様、心より御礼申し上げます。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
安部 正兼
ギャラリー上り屋敷賞
岩本 依留羽 <Metal casting artist>
1992年 / 愛知生まれ
2016年 東京藝術大学工芸科鋳金研究室 卒業
2018年 東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻鋳金研究分野 修了
主な技法:鋳造 (真土込め型鋳造法、石膏鋳造法)
展示会場をゆっくり拝見したとき、スラリとした作品の鋭さにひかれ、足が止まりました。作品と対話していると、引き込まれ暖かな気持ちになりました。鋳金岩本依留羽さんを2024年上り屋敷賞に決めました。
Gallery ギャラリー上り屋敷
この度はギャラリー上がり屋敷賞をいただき心より感謝申し上げます。私は鋳金という、金属を熔かし造形する方法で作品を制作しております。金属から与えられるエネルギーに頼るだけではなく、より一層作品の魅力を感じていただけるよう、さらに研鑽を積んでいきたいと思います。本来であれば選んでいただいたことを直接御礼を申し上げるべきところですが都合によりそれが叶わず、この場をお借りして御礼申し上げます。
岩本 依留羽
Gallery KAMON Irie賞
阿部駿氏の作品の前に立つと、過去から現在への、そして今歩いて来ただろう街角の風を感じさせる。
建築物の稜線、影が人を際立たせている。それが、モノクローム表現でより強調されている。
人の動きを観察、想像、予測して生まれた作品だと思います。
Gallery Kamon IRIE
ギャラリー路草賞
羊毛フェルトを使った大きな作品はインパクトが強く、大迫力の可愛らしさでした。
ウサギの表情やしぐさはコミカルでキュートでしたし展示壁面の装飾との調和も素晴らしかったです。
今後の作品も楽しみにしております。
ギャラリー路草
広い壁でうさぎがいる風景が見たいなぁという願いが叶い、更にこのような栄誉ある賞を賜りましたことを幸甚に存じます。
作品を通してあたたかなつながりがたくさんできましたこと、宝物にしてゆきたいと思っております。
藤田 育代
栗原画廊賞
可児貴子 <TAKAKO KANI>
1997年 / 東京都生まれ
2021年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻 卒業
2023年 東京藝術大学大学院文化財保存学専攻保存修復日本画修士課程 修了
主な技法:日本画
具象と抽象の狭間にある曖昧な世界を心象風景として表現された可児貴子さんの作品に非凡な才能を感じます
個性ある自己の世界を一歩 〃 追及して頂きたい思います
これからの作品制作を楽しみにさせて頂きます
栗原画廊 栗原宏
C-DEPOT賞
IAG審査員の一人で画家の金丸悠児氏が代表をつとめる、池袋に拠点を置くクリエイター集団。
ナカダマコトさんの作品はいわゆる「超絶技巧」に類される、人間の手で作られたものとは思えない脅威的な完成度を誇る作品です。まず、そのようなアーティストがIAG AWARDSに応募してくれたことを嬉しく思いました。 そして己の技術を誇示するのではなく、消費されてしまう自然素材の行く末を憂い、その想いを形にしたのだと本人から伺い、作家の愚直な姿勢に感銘を受けました。
c-depot金丸
賞を頂きありがとうございます
今後の製作の励みになります
ナカダマコト
ターナーギャラリー賞
絵具の総合メーカーのターナー色彩株式会社が「若い人の熱い感性と豊かな才能の応援」を掲げ運営するギャラリーです。
この度は、ターナーギャラリー賞にご選出頂きまして誠にありがとうございました。
3×3.3メートルの壁面に作品をどのように展示をするか、とても悩みましたが、個々の作品を見せるのではなく、壁面を一つの空間と捉えて作品を展示するという選択をしました。普段は選択しない挑戦的な展示になりましたが、今回評価頂けて大変嬉しく思っています。
作品は絵具の混じり合う表情や偶然性を活かした手法で制作しています。 絵具の総合メーカーであるターナー株式会社様より賞を頂けたことは、自分自身が感じている色彩の美しさや面白いと思う感覚が作品を通して伝えられたのではないかと感じています。
今回の賞を励みに、今後も精進していきたいと思います。
宮木 沙知子
名村大成堂賞
昭和15年 雑司ヶ谷の地に創業以来、高品質な筆の製造と各種画材の卸しでアーティストたちを影から支え続けています。
野中さんの作品は色彩力豊かで筆を大胆に使ってくれていて筆製造の弊社としましては是非今後ご活躍なさってほしいアーティストと思い「名村賞」に選ばせて頂きました。
名村大成堂
B-gallery賞
彼女の作品は、圧倒的にクオリティと完成度が高く、迫力があり、見せ方も美しく、素晴らしいと思いました。
来秋の当画廊での個展が非常に楽しみです。
B-gallery
WACCA IKEBUKURO賞
作品の美しさに惹かれると共に、添えられるメッセージに当施設を訪れる皆様にもぜひ触れて頂きたいと思いました。ご一緒出来ますことを大変嬉しく、楽しみにしております。
WACCA IKEBUKURO
今回展示させていただいた作品は、大学の卒業制作で描いた作品でした。
4年間の集大成として長い期間この絵と、これまでの自分と向き合い今ある技量でどう変化を起こせるかを悩み続けて完成させた作品がこの場で展示させていただけたこと、そして賞をいただけたこと凄く嬉しい気持ちです。ありがとうございます。
私の活動における大きなコンセプトとして、悲痛な気持ちで覆われてしまう時に負の感情を芸術を通して救ったり一緒に前向きに進んだりできるような、感情に寄り添える作品や場所を作りたいという目標があります。
この目標を果たす為にこれからも様々な場所で作品を見ていただける機会を増やせるよう今回いただいた嬉しい結果をバネに課題と向き合い制作し続けていきたいと思います。
喜愛来