百瀬文「十年」

24/06/22[土]-24/07/21[日]
@ タリオンギャラリー
企画運営:タリオンギャラリー   エキシビション

百瀬文は、見ることと見られること、語ることと語られることの非対称性を映像によって自己言及的に問い直し、主体の揺らぎや不確かさを露わにするとともに、他者との交感が空転しつつも発現するコミュニケーションの多様なあり方を示す作品を制作してきました。その場に存在するにも関わらず無いものとされてきた声、それらを生み出す構造を扱い、近年はジェンダーやセクシュアリティをめぐる問題にも明示的に取り組んでいます。

本展では、2014年6月に撮影された映像フッテージをもとに、この10年、あるいはこれからの10年の姿について問いかける場を共有します。その映像には、群衆のなかで役務をまとった公的な身体と私的にひらかれた身体とが、シュプレヒコールの声のなかで、ひとつの相貌に折り重なって映し出されます。そこにあらわれるのは、現在からひととき隔てられた社会や個人のひとつの像ではなく、いままさに現実を成そうとする、それぞれの希いや求めを持って日々を生きる人々のビジョンです。

百瀬文 Aya Momose
1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。
近年の主な個展に「わたしのほころび」久留米シティプラザ (2023/福岡)、「百瀬文 口を寄せる」十和田市現代美術館 (2022/青森)、「Born to Die」switch point (2020/東京)、「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」EFAG (2019/東京)、「Borrowing the Other Eye」ESPACE DIAPHANES (2018/ベルリン)など。主なグループ展に「MOTコレクション 被膜虚実/Breathing めぐる呼吸」東京都現代美術館 (2023/東京)、Theater der Welt 2023 "Incubation Pod. Dreaming worlds" フランクフルト応用美術館 (2023/フランクフルト)、「国際芸術祭あいち 2022」愛知芸術文化センター (2022/愛知)、「語りの複数性」東京都渋谷公園通りギャラリー (2021/東京)、「フェミニズムズ/FEMINISMS」金沢21世紀美術館 (2021/石川)など。

会 場
タリオンギャラリー   > HP
住 所
豊島区目白2-2-1 B1F
電 話
03-5927-9858
OPEN
11:00-19:00 月火祝休廊