光の寝床

22/10/24[月]-22/11/06[日]
@ きがわ荘
企画運営:自主企画   エキシビション

詩展 光の寝床

 「意識」の特質が、なにかへ向かうということにあるならば、それはどこかへ到達する。
 到達したならば、蝙蝠が物質を把握するために使う超音波のように、それは還ってくる。
 放たれた意識は、そこでようやく自覚され始める。

 普段およいでいる意識は、ひとたび事の起きているのを感じとると、そこへ向かって束ねられ、編み込まれ、適切な強度と鋭さをはかりながら、放たれていく。

 なにかへ向かう、というその傾きが意識の発生であるならば、それが詩の起こりである。
 それはイメージを通り抜けて纏う。
 なにかに到達したならば、そこと接続し、吊りあって場を生む。
 場を得た意識は、そこへ至るまでに貫通したイメージの裏側から、再度貫通して「私」へ到達する。そして場所は成立し、詩が出来る。

 詩展とは意識の放射の逆再生の場かもしれない。その場で観測することの、順再生との、感覚的ズレがあなたの意識の往復と構築を自覚させる眺めを生む。足場を生む。
 今回展示される作品は、文字であれ、絵であれ、写真であれ、いわば、ひとつの題に向かって私の意識が得た、それぞれの場所である。

作品があなたに到達したときには、あなたになにが自覚されるだろうか。
 時の可塑性だろうか。意味の単位だろうか。自己の複数性だろうか。

 自覚されるのはすぐかもしれず、三日後かも知れず、もっと先のことかもしれない。
 いつであっても、それがあなたに生まれて棲みついた私の詩である。

川㟢 雄司







川㟢雄司 (かわさき ゆうじ)
1989年生まれ
2011年武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科卒業
2018年武蔵野大学専攻科言語聴覚士養成課程卒業

言語聴覚士として千葉県内のリハビリテーション科に勤務後、現在は都内のクリニックで聴覚分野に従事している。言語の問題に広く関わりながら文字媒体に限らず作品制作をしている。


個展(詩展)

2015年「あわいの結びめ」船橋市民ギャラリー
2021年「さっきまでが向こうから歩いてくる」 
    EFAG East Factory Art Gallery(葛西)


本 (私家版)

詩集
2011年 「闇の器」
2014年 「あいだであるあなたへ」
2021年 「さっきまでが向こうから歩いてくる」

小説
2011年 「△と鏡」(卒業制作)
2014年 「渦」

図録
2015年 「あわいの結びめ」と同時開催されていた
     画家石神雄介の個展「頂上への沈降」の
     共同図録。

SNS
Instagram  @y.k.works
Twitter @3kaku_to_kagami

会 場
きがわ荘
住 所
豊島区長崎2-22-5
電 話
080-5504-3223
OPEN
14:00〜19:00