【ステイトメント】
個人の創作物は、特に紙やインクに対する深い感情を伴う、表面的なイメージの追及ではなく、メディアの本質の探求と実験に長い間焦点を当ててきました。そのルーツは、家族三世代が印刷関連産業に従事しており、幼い頃から常に紙の完成品や半製品が山積みの環境で育ったことにあります。
2008年より版画の1枚の紙を多面的に拡張する「Condition」と「Paper」を開始し、紙の側面を重ねたり接合したりすることで、内側と外側の新たな関係性を発見し、作品の空間感覚も変化し、平面的な二次元空間が、ブロックを計測する感覚によって三次元空間へと変化します。
2014年に従来の紙の貼り合わせ方法を変更し、リトグラフに見立てた紙版を積み上げ、その紙版上に疑似リトグラフの質感を模倣した「疑似リトグラフ」シリーズを製作開始。
2023年の疑似石版シリーズは、同じ画像を印刷した20~25枚の無酸ボール紙で構成され、貼り合わせられ
ており、版画制作の内部と外部の関係の弁証法的探求が始まります。 (陳奕伶)
【プロフィール】
1999 中日版画交流展(目黒区美術館)
2004 台湾日本版画交流展(神奈川県立近代美術館)
2006 中華民国第12回国際版画ビエンナーレ(国立台湾美術館)
2009 北京中央美術院版画教師美術展(北京798画廊)
2023 第90回日本版画協会展賞候補(東京都美術館)
2024 第91回日本版画協会展A部門奨励賞(東京都美術館)
第67回CWAJ現代版画展(代官山ヒルサイドフォーラム)
陳奕伶個展「無石之境」(台湾新北市)
1月24日(土)17:00~来日作家を囲むパーティー&丸山悦未子チェロ演奏
