池袋アートギャザリング公募展(Ikebukuro Art-Gathering)IAG AWARDS 2025 EXHIBITION 出品作家を募集

2020
IAG REPORT

/ IAG/ REPORT/ AWARD 2020

2020年に開催された池袋アートギャザリング(Ikebukuro Art-Gathering: IAG)の開催概要、受賞者及び入賞者のリストを掲載しています。記載情報は開催当時の内容になりますので、現在とは異なる場合がございます。

2020年開催概要

東京芸術劇場を擁し、芸術文化を核とした街づくりを推進する池袋エリアは、街そのものが、様々な分野のアーティストが集い、表現し、発信する劇場であり、舞台であることを目指しています。
そんな池袋の街とアーティストをつなぐプロジェト「池袋アートギャザリング(IAG)」は、年齢・国籍・ジャンルを問わず、一人でも多くのファインアーティストの方々にこの舞台にあがっていただき、その活動を池袋の街とともに支援したいとの願いから当アワードを2017年にスタート。
現役美術作家を審査員とし、美術業界との連携を重視する当アワードの成果として、その入選をきっかけに美術界への飛躍を果たしたアーティストを多数輩出する他、入選アーティストが地域や起業のアートプロジェクトへ起用される実績も増え続けており今や国内屈指の美術公募展として注目を集めています。今回も、多くの才能がこの舞台を目指し、応募してくださることをお待ちしております。

項目内容
主 催 池袋モンパルナスまちかど回遊美術館 実行委員会
(発起人:NPO法人ゼファー池袋まちづくり/立教大学/東武百貨店/豊島区)
企画/運営 池袋アートギャザリング事務局(一般社団法人JIAN)
共 催 東京芸術劇場
協 力 公益財団法人としま未来文化財団
応募条件 年齢・国籍・ジャンルを問わず、日本に活動基盤をもち、入選者による展覧会(IAG AWARDS EXHIBITION)に参加可能なアーティスト
作品条件 ・ 屋内ギャラリー展示が可能なオリジナル作品を一点または複数点
・ 壁面展示作品は w4×h3m、 空間展示作品は wdh3mの範囲内(含 余白)で展示可能であること
※ 平面、立体、映像、インスタレーションなど、は問いません
※ 発表・未発表の制約もありません
審査員 ・押元 一敏 <Kazutoshi Oshimoto> 東京藝術大学美術学部 准教授 / 画家(審査員長)
・三橋  純 <Mitsuhashi Jun> 横浜美術大学教授 / 写真家
・泉  東臣 <Haruomi Izumi> 画家
・大森 暁生 <Akio Omori> 彫刻家 / D.B.Factory代表
・金丸 悠児 <Yuji Kanamaru> 画家 / C-DEPOT代表
チーフディレクター ・小路 浩 <Hiroshi Shoji> アートディレクター / 一般社団法人JIAN 代表理事
アワード ①IAG賞……IAG審査員5名による賞。大賞ほか奨励賞など随時選出
②豊島区長賞……豊島区長が選出
③オーディエンス賞……来場者による好きな作家投票を集計し選出
④IAGパートナーズ各賞……IAGを応援してくださる豊島区内外のギャラリー等による賞
・東武百貨店ギャラリー賞
・協同組合美術商交友会賞
・アトリエムラギャラリー賞
・KAYOKOYUKI賞
・栗原画廊賞
・シアターアートショップ賞
・C-DEPOT賞
・TALION GALLERY賞
・ギャラリー上り屋敷賞
・ギャラリー路草賞
・八犬堂ギャラリー賞
・B-gallery賞 ほか

/ IAG/ REPORT/ AWARD 2020

IAG AWARDS 2020 EXHIBITION

池袋アートギャザリング(IAG)事務局は、応募内容を審査し、「第15回 池袋モンパルナス回遊美術館」のメイン企画として、入選作家たちによる展覧会が下記期間開催し、IAG大賞を含む受賞者を決定いたしました。

2020年5月22日[金]~
27日[水]
2020年7月17日[金]~
19日[日]

展示会場:
東京芸術劇場5階 ギャラリー1

受賞者リストのあとに、入選者リストがございます。

作品作家
IAG賞
IAG大賞
IAG大賞|ヒグラシ ユウイチ/Yuichi Higurashi
ヒグラシ ユウイチ/Yuichi Higurashi
1971年/千葉県
東京造形大学 美術学科美術二類(彫刻)
岩塩を彫刻
 

IAG大賞を受賞し嬉しく思います。
岩塩を素材として、水に溶けて消えてるしまうものだから「なくなった方がいいもの」を、人が生きるには必要だから「なくせないもの」でもある。
これをコンセプトとして、普段は武器をモチーフにしていますが、2020年のいま制作するなら?と考え、このかたち「MASK」となりました。
展示にあたり、IAG事務局のみなさまには大変お世話になりました。また、 今回の作品が評価いただけたことで、背中を押されたとも思えました。今後も制作に励みたいと思います。 ありがとうございました。

準IAG賞
準IAG賞|李 倩/Li Qian
李 倩/Li Qian
1986年/中国 北京
東京藝術大学 デザイン専攻
アクリル
 

私はIAG AWARDSを自分の1年の中で最も重要な展示会と位置づけ参加している。2019年以前は立体と平面の作品を同一空間に置いたコンペに参加したことがなく、昨年IAG AWARDSへ初参加した時に、自分の作品が立体作品の横にあっては視覚効果が著しく低下することを感じ、大きな衝撃を受けた。
そこで今年まで丸一年をかけて、如何に立体作品の側においても自分の作品の良さを際立たせることができるのか試行錯誤した。私の現状の作品は未熟で、画面の中にはまだ多くの不満な点があるが、画材に関しては尚も新しい効果を試行している。
私は利口で器用ではないかもしれないが、創作活動は堅持するし、毎年より良い作品を送り出せるよう努力していくつもりだ。

奨励賞
奨励賞|新宅加奈子/Shintaku Kanako
新宅加奈子/Shintaku Kanako
1994年/京都府
京都造形芸術大学大学院芸術研究科総合造形領域修士課程専攻
パフォーマンス
 

この度はコロナウィルスの影響で展示が厳しい中、展示をする機会をいただき、また奨励賞に選んでいただき大変嬉しく思います。
やはりオンラインで展示する、鑑賞するものとは全く違った感覚を今回の展示で感じました。
私は制作で身体表現を行なっている為、久しぶりにオフラインの身体感覚に身を置けた事は、とても良い刺激になりました。
まだまだ元どおりとはいきませんが、この度の展示開催、そして賞を頂いた事を励みとして、今後も制作活動に務めていく所存です。
この度は本当にありがとうございました。

奨励賞
奨励賞|蔦本大樹/Daiki Tsutamoto
蔦本大樹/Daiki Tsutamoto
1995年/兵庫県
神戸芸術工科大学大学院 芸術工学研究科 総合アート&デザイン専攻 修士課程
金属線
 

まず初めに、現在の大変なご時世の中、今回の展示や準備、運営など支えてくださった皆さま、ご来場してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
この度は奨励賞、八犬堂ギャラリー賞を頂き、大変光栄です。私が出会った「ワイヤー」という素材、可能性を信じ常に表現を模索し続けた我が子のようなこの素材がようやく一つ認めて頂けたと思うと、こんなに嬉しいことはありません。
やっとスタート地点に立てたと思って、今後もこの賞に恥じないよう表現を磨き上げ、精進して参りたいと思います。

【作品について】
私は主に線材、針金、ワイヤーと呼ばれる金属線を用い、「生命力」をテーマに作品を制作しています。
制作過程において「密度」と「重み」は針金を積み重ねることによって徐々に増えます。その制作過程は時間が経過して進化してきた生命を形成するプロセスを示します。
私は力強く生きる生き物のありさまを線の集合体で表現し続けていきます。

豊島区長賞
豊島区長賞
豊島区長賞|志茂浩和/Hiroyasu Shimo
志茂浩和/Hiroyasu Shimo
1960年/大阪
東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻
映像 3DCG
 

この度は「豊島区長賞」並びに「ギャラリー路草賞」をいただきありがとうございます。 賞金やトロフィーよりも「もっと面白いことをやれ!」という年齢に対する配慮のかけらもない賞をいただき、たいへん喜んでいます。
本来ならばオリンピックが開催されるはずだった2020年は、個人的なことだけではなく、日本にとって大きな節目になるのではないかと考えていたことを思い出します。今回の作品「Rain」は、香港での「雨傘運動」に想を得ている部分もあります。しかし、誰かを悪者にをしようというのではありません。それでは、批判が目的化した政治家やマスコミ、誹謗中傷が渦巻くネット空間など、何かことが起こるたびに躍起になっている者と変わらないからです。容赦なく正義を振りかざすことが、分裂を招き息苦しい社会を作ってしまうことをいつまでたっても学べないことを不思議に思うほどです。
奇しくも、予想もしなかった大雨が世界中の門戸を閉ざさせてしまいました。できれば、この雨が世界を洗い、誰もが共存できる社会を構築できる契機になればなぁ。と、作品を制作しながら考えました。

オーディエンス賞
オーディエンス賞
オーディエンス賞|李 倩/Li Qian
李 倩/Li Qian
1986年/中国 北京
東京藝術大学 デザイン専攻
アクリル
準オーディエンス賞
準オーディエンス賞|志茂浩和/Hiroyasu Shimo
志茂浩和/Hiroyasu Shimo
1960年/大阪
東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻
映像 3DCG
地域ギャラリー賞
東武百貨店アートギャラリー賞
東武百貨店ギャラリー賞|高津 ゆい/Yui Takatsu
高津ゆい/Yui Takatsu
1992年/岐阜県
愛知県立芸術大学 大学院 美術研究科(博士前期課程)デザイン領域
シャープペン、ボールペン、アクリルガッシュ
アトリエムラギャラリー賞
アトリエムラギャラリー賞|鹿野裕介/SHIKANO Yusuke
鹿野裕介/SHIKANO Yusuke
1992年/東京都
明星大学造形芸術学部
インスタレーション
KAYOKOYUKI賞
KAYOKOYUKI賞|Chinyurin
Chinyurin
1993年/中国湖南省
多摩美術大学工芸学科ガラス専攻
吹き、型吹き、バーナーワーク
 

人間ランドリーコメント: 服、髪、皮膚などは物理的に洗えるもの。斬新な状態には戻らないが、綺麗になる。人生はそもそも洗えない。しかし忘れたい、捨てたい汚れがたくさんある。
私たちは社会の欠片で、一人からその全体を伺い知ることができる。人間ランドリーを行う目的は実際に問題を解決するのではない。頼む人の話を聞き、幻想を一瞬満たしてあげたいことだ。その中で社会的動物としての悩みを表したい

アーティストの全貌を一度に把握できないところに惹かれました。良い意味でどんどん裏切っていってほしいです。今後の活躍に期待します。

ギャラリー上り屋敷賞
ギャラリー上り屋敷賞|田村幸帆/Sachiho Tamura
田村幸帆/Sachiho Tamura
1992年/神奈川県
東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画専攻分野修士課程
日本画
 

この度は、入選のみならずギャラリー上り屋敷賞を頂けて大変嬉しく思っております。
大学在学中はこのような小さな作品を描く機会が少なく、悩みながらの制作となりましたが、作家としてひとり立ちしなければならないタイミングで賞を頂けたことはとても励みになります。
IAGの実行委員の方々、審査員の先生方、ご来場くださった方々、関わっていただいた全ての方に感謝を伝えたいです。
どうもありがとうございました。

Gallery KAMON Irie賞
Gallery KAMON Irie賞|文蔵/bunzo
文蔵/bunzo
1972年/東京都
拓殖大学工学部機械システム工学科
撮影作品に対するマーカーによる点描加工
 

この度はGallery KAMON Irie賞をいただき、ありがとうございました。
正直なところ自分の作品が評価されるとは考えていなかったので、大変嬉しく思います。
作品は最終的にデジタルプリントで仕上げていますが、途中の作業工程で極細油性ペンによる点描という非常に手間のかかる作業を行っています。作品を効率よく作る、という意味では無意味な作業となります。
しかし、僕はこの無意味な作業に意義を感じています。
効率性を求められる今の時代、無駄なこと・無意味なことは悪と捉えられがちですが、人間らしさとは無駄や無意味の中にあるのではないでしょうか?
僕は生涯この人間らしさを、作品を通して追求していきたいと考えています。
どうもありがとうございました。

単色のカラーにシルエットで構成された画面。デジタルプリントによる仕上げでありながら独特のアナログ感。それがペンによる点描という作業によるものだと知り、作者の心象風景がそこに在るのを感じた。大胆で力強い作風から、新たな写真芸術の世界が開かれたと思う。

Gallery KAMON Irie 代表 入江 一郎

ギャラリー路草賞
ギャラリー路草賞|志茂浩和/Hiroyasu Shimo
志茂浩和/Hiroyasu Shimo
1960年/大阪
東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻
映像 3DCG
栗原画廊賞
栗原画廊賞|八木恵子/Yagi Keiko
八木恵子/Yagi Keiko
1986年/佐賀県
筑波大学芸術専門学群美術専攻日本画
麻紙に墨・岩絵の具・銀箔
 

この度はIAGにて展示の機会をいただき、また栗原画廊賞に選んでいただき誠にありがとうございました。
展示を終えた今、立体やインスタレーション作品もある中での平面作品の見せ方としてはもっとより良い方法をあったのでは、と反省点もあります。しかし、そんな中で栗原画廊様に選んでいただいたというのは、純粋に絵画の部分で評価してもらえたのだろうかと大変嬉しく思っています。
作品については、人の思想の集合体のようなものを形にしたくて制作しています。まだ解明できていない人にまつわる何かすら絵にできるのではないだろうか?と思いながら。
まだまだ描きたいものがたくさんあるので、今回頂いた賞を励みに制作に邁進していきたいと思います。

現実と心を微妙に描く八木恵子さんの作品は上手く言葉にならない何かを感じさせます。視線の先にはどんな創造の世界が有るのでしょう! 一作々々の作品制作を大切に精進されることを切望致します。

シアターアートショップ賞
シアターアートショップ賞|飯沼由貴/Yuki Iinuma
飯沼由貴/Yuki Iinuma
1991年/岐阜県
愛知県立芸術大学 美術学部 油画専攻
キャンバスに油彩
 

この度はシアターアートショップ賞をいただき、ありがとうございます。大変嬉しく思っております。様々な作品が揃う中で選んでいただき、背中を押してもらえたような気持ちになりました。
また、このようなご時世のなか展示にお越しくださった皆さま、スタッフの皆さまにも感謝申し上げます。ありがとうございました。

作品を見つめているはずなのに、見つめられている感覚。
可愛さを感じるのにどこか物々しく、圧を感じるのに心做しか軽やかな佇まい。
目を離した隙に、この中の一匹くらいは動いたのではと疑いたくなる「密」具合。
飯沼さんの作品は会場の中で異彩を放っていて、対峙した時に、観るということ、描くということにまで思いを巡らせる力を感じました。
この度、本賞を授賞しました我々は、インテリアアートを主として扱い、日々の暮らしにおけるアートの役割を拡げることを目指しております。
飯沼さんのこの力をお借りして、今後新たなアプローチをしていけたらと考えております。

C-DEPOT賞
C-DEPOT賞|柳 早苗/Sanae Yanagi
柳 早苗/Sanae Yanagi
1976年/埼玉県
女子美術短期大学彫塑科卒業、東京造形大学彫刻科卒業
立体 木を縫う
 

今回は、C-DEPOT賞をいただき、ありがとうございます。アーティスト集団からの賞ということで、何か影響し合える素敵な出会いが待っているような気がしています。
私の作品は、紐と木を使って、“時の繋がりや世代を超えて受け継がれていくこと”を表現しています。
そのコンセプトの様に違う時、違う空間で活動しているものが繋がって新しいものが生ま繋がってていけたら良いなあと思っています。
今回はいくつもの展示が延期になるコロナ禍の中の久しぶりの展示でした。直接、たくさんの作品を観て、人と会うことの大切さを実感する重要な機会になった様に思います。JIANさんのスペースにも私の作品が旅立つことになり、未だ見えない何かに繋がることを期待し、作品をさらに生み出していきたいです。

柳早苗さんの作品は、丸太や木片などの自然物に、カラフルな紐によって縫い物を施すという作風です。その行為からは、少数民族の刺繍や装飾に見られる、祖先や精霊への祈り、自然への畏敬の念、といった風習と似たものが醸し出されています。見ていて不思議と心地よく、色々な想像が膨らみました。展示会場で、作家ご本人から制作にまつわる思いなどを聞き、C-DEPOT賞として選ばせていただく決め手となりました。

TALION GALLERY 奨励賞
TALION GALLERY 奨励賞|新井浩太/Kota Arai
新井浩太/Kota Arai
1999年/千葉県
東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻領域
彫刻
 

この度はTARION GALLERY 奨励賞をいただくことができとても光栄です。このような状況下でありながらも展示を行えたことにIAG企画運営に携わった方々にお礼申し上げます。 まだまだ作家としての活動も経験も浅いですが今回受賞という形で認めていただけたことで大きな自信につながりました。 これからもより一層精進してまいりますのでよろしくお願いします。

B-gallery賞
B-gallery賞|村上 生太郎/Shotaro Murakami
村上 生太郎/Shotaro Murakami
1993年/東京都
東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻 描画装飾研究室
色鉛筆
 

この度はB-Gallery賞に選んで頂きありがとうございます。これからも自分の色と形の感覚を頼りに、素敵なモチーフの力を借りて、気持ち良い絵を描いていきたいです。

IAGパートナーズ賞
協同組合美術商交友会賞
協同組合美術商交友会賞|カワゐマユラ/Kawai.Mayura
カワゐマユラ/Kawai.Mayura
愛知県
ミクストメディア
 

この度は、協同組合美術商交友会賞にご選出いただきありがとうございます。
美術系学校を出ていない私にとって、ご選出いただけたことはとても励みになりました。 私は薬科大学出身で、美術表現とは別世界にいる人間のように感じられるかもしれませんが、実は、制作動機はこの背景に起源しています。
というのも、幼少期から、科学や呪術や哲学が未分化で混じりあった、錬金術的な世界観に惹かれ、普遍的な潮の流れ?みたいに「そこに在る」ものを摑まえたいと切望し、それが今の私を形成しているからです。
朧気だけれども、確かに「そこに在る」もの。それは、祈りだったり、愛だったり、法則だったり、境界(物質・現象)だったり、いろいろなかたちや一面として、私たちの周りに現れてきます。
私にとって、薬剤師であることも、平面や立体で表現していくことも、この、いろいろなかたちで現れる、「そこに在る」ものを摑まえる「装置」として等価なのです。

力作が並ぶ中、カワゐマユラさんの作品の絵画的要素、世界観に惹かれました。今後の制作に期待をしています。私共、美術商交友会は日本全国の美術商が集まる団体ですが、池袋アートギャザリングを通して作家の応援ができればと考えています。

協同組合美術商交友会

八犬堂ギャラリー賞
八犬堂ギャラリー賞|蔦本大樹/Daiki Tsutamoto
蔦本大樹/Daiki Tsutamoto
1995年/兵庫県
神戸芸術工科大学大学院 芸術工学研究科 総合アート&デザイン専攻 修士課程
金属線

入選者リスト

名前/Name生まれ主な技法
揚野市子/Ichiko Ageno1969 / 千葉県写真を使用したインスタレーション
新井浩太/Kota Arai1999 / 千葉県彫刻
飯沼由貴/Yuki Iinuma1991 / 岐阜県キャンバスに油彩
井口広大/ICUCHI Kodai1992 / 千葉県日本画
いわさきありえ/Arie Iwasaki1993 / 千葉県ペン画
岩田 明/Akira Iwata1949 / 愛知県樹脂粘土による塑像制作
海野崇彬/Takaaki Unno1985 / 千葉県映像
おおしまたくろう/Oshima Takuro1992 / 京都府楽器制作とそれに伴う技法(奏法、記譜法)の考案、フィールドレコーディング、メディアパフォーマンス
岡田智貴/Tomoki Okada1997 / 長野県アクリル、造形
小野仁美/Hitomi Ono1993 / 東京都絵画
かがた奈緒/KAGATA nao1957 / 愛媛県パネルに綿布 金箔 典具帖紙 アクリル
葛西明子/Akiko Kasai1983 / 北海道油彩、アクリル
柏倉風馬/Fuma Kashiwagura1992 / 山形県ミクストメディア アクリル、銀箔、和紙、鉛筆使用
カタコト/KATAKOTO1992 / 埼玉県デジタルアート (センサー、ソフトウェアとプロジェクターを用いたインタラクティブ作品)
片山 穣/KATAYAMA Joe1985 / 新潟県ろうけつ染め
カワゐマユラ/Kawai.Mayura愛知県ミクストメディア
JI QIU1993 / 中国 江苏省
岸 雪絵/Yukie Kishi1981 / 京都府リトグラフ、アクリル絵具、色鉛筆、インクジェットプリント、
木白 牧/Maki Kishiro1975 / 滋賀県アクリル画をベースにしたミクストメディア
纐纈 花/Hana Koketsu2001 / 東京都油画 アクリル 3Dアート
鹿野裕介/SHIKANO Yusuke1992 / 東京都インスタレーション
柴田一秀/Kazuhide Shibata1995 / 福岡県
柴田直樹/Naoki Shibata1994 / 石川県綿布に岩絵具で着彩
シバタマミ/Shibatama1993 / 愛知県日本画の画材である岩絵の具、和紙を使用。
志茂浩和/Hiroyasu Shimo1960 / 大阪府映像 3DCG
SYNC&Collective.1987 / 佐賀県イラストレーター、フォトショップによるグラフィックデザイン、陶磁器による立体作品
新宅加奈子/Shintaku Kanako1994 / 京都府パフォーマンス
高津ゆい/Yui Takatsu1992 / 岐阜県シャープペン、ボールペン、アクリルガッシュ
田中香里/Tanaka Kaori1995 / 三重県油彩、水彩、アクリル絵具での描画
タニグチカナコ/Kanako Taniguchi1996 / 広島県日本画
田村幸帆/Sachiho Tamura1992 / 神奈川県日本画
田村育歩/Tamura Ikuho1997 / 愛媛県デジタル/印刷
Chinyurin1993 / 中国湖南省吹き、型吹き、バーナーワーク
蔦本大樹/Daiki Tsutamoto1995 / 兵庫県金属線
土屋幸生/Yukio Tsuchiya1982 / 神奈川県Painting, Silkscreen Printing
都築崇広/TSUZUKI Takahiro1988 / 埼玉県ペインティング、写真
Toshiharu Igarashi1991 / 群馬県
西田 純/Jun Nishida1990 / 埼玉県油彩
八谷 聡大/HACHIYA Akio1992 / 青森県ペン画、水彩
ヒグラシ ユウイチ/Yuichi Higurashi1971 / 千葉県岩塩を彫刻。
久島 涼/Ryo Hisajima1989 / 東京都彫金,エッチング,特殊塗料による金属着色
ひらのまり/Mari Hirano1987 / 和歌山県ステンドグラス
平松嵩児/HIRAMATSU Takeru1996 / 愛知県テラコッタ彫刻
文蔵/bunzo1972 / 東京都撮影作品に対するマーカーによる点描加工。
松尾茉実/Mami Matsuo1997 / 埼玉県編み、オリジナルテクニック
三浦勇人/Yuto Miura1993 / 福島県写真(阿波和紙インクジェットプリント)
水口麟太郎/RINTARO1994 / 東京都立体書道、グルーガンアート、漆芸
村上生太郎/Shotaro Murakami1993 / 東京都色鉛筆
八木恵子/Yagi Keiko1986 / 佐賀県麻紙に墨・岩絵の具・銀箔
柳 早苗/Sanae Yanagi1976 / 埼玉県立体 木を縫う
李 倩/Li Qian1986 / 中国北京アクリル

/ IAG/ REPORT/ AWARD 2020

IAG審査員

2020年に開催された池袋アートギャザリング(Ikebukuro Art-Gathering: IAG)の審査員の紹介、講評コメントを掲載しています。
審査員は、一次・二次の入選審査および最終審査会「IAG AWARD EXHIBITON」にて会場で実際に展示作品を確認し、アワードの授与などを多角的な視点からの協議を担いました。
※プロフィール記載情報は現在と異なる場合がございます

押元一敏

押元 一敏
〈Kazutoshi Oshimoto〉
東京藝術大学美術学部 教授/画家
2017- 審査員長(一般部門)

1970 千葉県生まれ
1995 東京藝術大学美術学部デザイン科 卒業
1997 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程 修了
2000 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程 満期退学
2010-2013 横浜美術大学 准教授
2013- 東京藝術大学美術学部 准教授
2024- 東京藝術大学美術学部 教授
日本美術家連盟会員

最終審査の総評として

今年の池袋アートギャザリング公募展IAG AWARDSは、途中の審査段階からコロナ禍にありながらも出品者と運営側の連携と豊島区のご協力の元に展示が実現できたことに敬意を表します。

展示を観た後の最終審査では、全体的にレベルが底上げされた印象で非常に難航しました。一人一人が自身のスタイルを確立して、それを観せる意識も高いように感じました。ただ一方、スケール感が弱いことからもったいない作品が幾つかあったことも確かです。グランプリを受賞したヒグラシ ユウイチさんの作品についても正直に言えばもう1点くらい観たかったという感想を抱き、逆にインパクトの強い作品が他で多ければ萎縮して見えてしまう危うさもあったかもしれません。目立てば良いという訳ではありませんが、公募展のような競う場においては存在感を示す意識は重要です。その点では今回作品の背景にあるコンセプトが引き立って作品を高位に押し上げたと言えます。

準グランプリの李倩さんの作品は、聴診器で体内の音を聞いてそこから色をイメージして人体を描いています。まだ少し荒さはありますが偶発性を上手くコントロールして、しかも力強さを持っています。昨年も入選された際は、まだ安定さがありましたが、今回は自分の表現として完成されていることから高評価に繋がりました。

IAG AWARDSの特徴でもある数々のギャラリー賞によって今後の展示機会が増えていくことは作家にとって嬉しいことです。ただ我々審査員は同じ作家としての立場にあって流通とは異なる視点で評価する責務があると感じています。ただ「きれい」や「心地いい」だけではないアートの力を発掘する役割を担っていると考えます。そういう意味では多様性に富んだ作品の数々をご覧いただけるのではないでしょうか。

三橋 純

三橋 純
〈Mitsuhashi Jun〉
横浜美術大学教授/写真家
2017- 一般部門

1990-94 博報堂フォトクリエイティブ(現 博報堂プロダクツ)
1995 朝日広告賞 準朝日広告賞
1999 日本大学大学院芸術学研究科博士課程単位取得満期退学
2000-07 千葉大学工学部画像科学科 多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース 東京ビジュアルアーツ 埼玉県立芸術総合高校映像科など 非常勤講師歴任
2001 日本写真芸術学会 第1回奨励賞 受賞
2001「1990年代の現代日本写真」展参加ブタペスト郊外に参加
2002 東京都写真美術館「映像体験ミュージアム」に出品
2011 個展「Qualia」Gallery Niepce, nagune
2015 個展「末那識」PhotoGallery MOMOZONO
その他 個展・グループ展 多数
所属学会:日本写真学会/日本映像学会/日本写真芸術学会

審査員・三橋 純

今回のIAG AWARDは、審査の段階からコロナ禍の影響があり波乱の幕開けでした。しかしながら実行委員会の尽力もあり、審査・展示を無事に終えることができたことたいへん嬉しく思い、ご尽力頂けましたすべての関係者に深く感謝申し上げたいと思います。

審査終了後、毎年レベルが上がって来ていること、またそれによって新たな悩みが増えて来ていることを審査委員のみなさんと共有しました。例えば全体の完成度や技術的レベルが上がっているために、突出した1点がなかなか選出できなくなっていたり、全体の作風の傾向が出てきてしまったりと、メリット・デメリットが見られる様になったのです。しかしこれもまたIAGに歴史が始まったことを意味しており、今後他の公募展にはないIAGの特徴を打ち出してゆく時期なのだと感じております。

今回グランプリのヒグラシさんの作品などは、“マスク”と“ピストル”のモチーフが、現在私たちの置かれている国際社会やコロナ禍の状況がなぞられている様に感じられますし、李さんや新宅さんの作品も、デジタルやリモートワークの時代に於ける身体の確からしさを問いかけている様にも感じられます。否応無く社会や時代を表現してしまうアーティストたちは、それぞれのメディアの中で、敏感に社会を嗅ぎ取り、時代に触れ、身体の痕跡を表象し、自身の存在を確認しているのだと改めて感じさせられました。

美術大学や専門学校などでは写真や映像、メディアアートなどの作品が減ってきている様に感じております。今回の応募でも若干少なかった印象があります。公募展という限られた制限の中で表現することはとても難しい事なのかもしれませんが、様々な表現形式が一堂に集まるこのIAGの公募展もっと活かしていただき、表現の枠組みを超えた発表の場、交流の場になる様にこれからも期待しております。

大森暁生

大森 暁生
〈Akio Ohmori〉
彫刻家/D.B.Factory代表
2017-22 一般部門

1971 東京に生まれる
1995~2002 「籔内佐斗司工房」にて彫刻家 籔内佐斗司氏のアシスタントを勤める
1996 愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業

国内外のギャラリー、百貨店、アートフェア、美術館等での発表に加え、多くのファッションブランドとのコラボレーションやパブリックワークなど幅広く作品を発表。
フォトエッセイ+作品集『PLEASE DO DISTURB』(芸術新聞社)、大森暁生作品集『月痕 つきあと』(マリア書房)を刊行。

審査員・大森暁生

早いものでIAG AWARDSも4回目を数えました。回を重ねるごとに、応募者の皆さまも運営側も、また各賞を出して下さるギャラリーさまにおいても、このAWARDSを上手に各々の活動に活かして下さるようになってきたことは、審査をさせて頂く側としても喜ばしい限りです。

それは、入選者による展覧会会場全体のクオリティとしても、顕著に表れてきております。

特に、立体作品においては、作品の見せ方、展示台まで含めた神経の注ぎかた、インスタレーションとしてのバランス力等々、その向上には目を見張るものがあります。お客様に作品を見て頂きたい、というサービス精神を強く感じます。これらの変化は昨今のSNS等への投稿もそのひとつの要因なのかなと推測しております。

展覧会会場が品良くまとまってきた反面、大きさを含め破綻のあるくらいの作品が影を潜めてしまったことは少々残念ではあります。

これについては、言うは易し、無い物ねだりといったところでしょうか。

立体作品の中にはプロダクトや工芸、クラフト性で秀逸なものも多数応募頂いているにも関わらず、その受け皿を見い出せていないことは歯がゆい限りです。これはAWARDSとしての今後の課題です。

ますます多様性を見せる表現の世界に、幅広い受け皿となるAWARDSとなれるよう、今後も期待しております。

泉東臣

泉 東臣
〈Haruomi Izumi〉
画家
2017-21 一般部門

2004 第15回 臥龍桜日本画大賞展 奨励賞
2005 修了制作 デザイン賞
   波濤の會(銀座、名古屋(以後毎年。その後各地巡回)
2006 レスポワール展(スルガ台画廊/銀座)
   作家の卵展(おぶせミュージアム・中島千波館/長野、「 ShinPA!」に改名し以後毎年)
2008 華波の会(日本橋、高松 ~'12)
2009 G5 exhibition(彩鳳堂画廊/京橋、「G6 exhibition」に改名し、以後毎年)
2011 たんざく展(新井画廊/銀座 以後毎年)
2012 見参(タワーホール船堀 以後毎年)
2013 桜花賞展(郷さくら美術館東京/目黒、'17)
   ヴェネツィアビエンナーレ(イタリア)
2014 アートのチカラ(伊勢丹新宿店、~'16)
   波音の会(日本橋 以後毎年)
2015 犬か八か展(八犬堂ギャラリー/池尻大橋)
   ShinPA in 諏訪(北澤美術館/長野、~'16)
   ShinPA 10th Anniversary展(ギャラリーアートもりもと/銀座)
2010 東京藝術大学美術学部非常勤講師(~'12)
現在、日本美術家連盟会員
作品収蔵:千葉銀行、京葉銀行、ヒューリック株式会社

審査員・泉東臣

今回のIAG AWARDSは、世の中が不安定の中始まった審査でしたが、運営側の皆様や審査員をはじめ一番心もとない心境であったであろう応募者の方々からしても、無事に展示されるに至り心底ホッとした方も多かったと思います。

全体の印象としては、特に立体・空間系の作品がすっきりと小ぶりになったという感じで、いいとか悪いではなく作品一つ一つのクオリティが上がり洗練度が高まったものが増えたという印象です。反対に泥くさい主張する作品が年々減ってきているという側面もあります。 前回が立体・平面双方においてアクの強さが目立つ作品が多かったこともあり、今回は全体的にスタイリッシュにまとまっていました。
これは回を重ねることにより、IAG AWARDSの公募展としての方向性が定まってきたことを表しているとも言えます。

平面作品について言及すると、「愚直に描く」という作業を徹底している作品が多く見受けられました。
自身も平面作家なので、そこにはとても共感でき好印象であるとともに、他ジャンルと比べた時の存在感の強さという点でどうしても弱く見えてしまうのが歯痒いところでもあります。

今後もギャラリー賞が増えていくと思います。
それに伴い出品者の意識も変わっていく中でどの様な作品に出会えるか楽しみです。

金丸悠児

金丸悠児
〈Yuji Kanamaru〉
画家/C-DEPOT代表
2017- 一般部門

1978 神奈川県に生まれる。
1997 桐蔭学園高等学校卒業、東京藝術大学デザイン科に入学。在学中は、劇団に所属し舞台美術、宣伝美術、映像制作を担当する。その他、知人のコンサートチラシのデザインを行うなどして、自身の可能性を模索する。
2001 同大学の東京藝術大学大学院(大藪雅孝)研究室に進学、大藪雅孝、中島千波の元で指導を受ける。
2002 杉山治とともにアーティスト集団「C-DEPOT」を設立、代表を務める。創立以来現在に至るまで、1年に1度開催する「EXHIBITION C-DEPOT」のプロデュースを手がけている。
2003 東京藝術大学大学院修了後、プロの画家として活動開始。
2004 クリエイターチーム「ebc」の一員として、ebcアトリエの創設から携わる。
現在は、百貨店や画廊を中心に発表を行い、作品は動物や建物などを題材に独自の表現と手法で創作している。また、社会におけるアーティストのあり方を追求し、様々な活動にも挑戦している。

小路 浩

小路 浩
〈Hiroshi Shoji〉
アートディレクター/
(一社)JIAN代表理事
2017- 一般部門/統括ディレクター

1965年 東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。
広告業界ディレクター、プロデューサーを経て、2010年、美術業界の広告デザインと若手作家の美術作品販売を主業務とする株式会社八犬堂を設立。
2011年、画家の泉東臣をリーダーとする日本藝術大学出身の日本画作家たちのグループ展を母体に、大規模アンデパンダン展「KENZAN」をスタートさせ、以降毎年開催。
2016年、八犬堂代表を辞任し、日本の芸術創作環境向上を目的とする美術作家団体 一般社団法人JIANを設立し代表理事に就任。以降、JIANがKENZANの主催団体となる。
2017年、池袋モンパルナス回遊美術館のメイン企画として「池袋アートギャザリング公募展 IAG AWARDS」をスタートさせ、以降毎年、チーフディレクターとして、企画運営を手掛ける。その他、ファインアーティストを起用する様々な企業や地域とのコラボプロジェクトを多数手がける。