池袋アートギャザリング公募展
IAG AWARDS 2024 Exhibition
会期:2024年5月24日[金]~ 6月2日[日] 会場:東京芸術劇場5階 Gallery 1 & 2
アーティスト
審査員総評
今年で8回目を迎え、年々展覧会全体の質が向上していることがみてとれました。中には続けて応募している人もおり、前回の反省を踏まえて成長したかたちで出品してくれたことは、本当に嬉しいかぎりです。まとまってみえる一方で、これは長く続けたことによるのかもしれませんが、良くも悪くも飛び抜けた作品に欠ける点についても否めません。毎回、審査に関わらせてもらうことで皆さんの作品から刺激をもらっていますので、更に我々の想像を超えた作品とその熱意に期待する次第です。
IAG賞には賞金がないため名誉という意味合いが強いです。本来それも必要なく入選して展示できるだけで十分なのではないかとも思いますが、やはり一人ひとりが作品に対する想いも強く、挑戦した結果に対して認めていくことで今後の励みになればと考えています。もちろんそれによって選ばれなかった人もいる訳ですが、審査員が変われば結果も違うように見方はそれぞれ違いますので自信を持ってこの先も続けてもらいたいと願います。何よりも様々な作品が並ぶ中で自分の作品を客観的に捉える機会のためにご応募いただき、皆様の将来の糧になれば幸いです。
審査員長:押元 一敏
IAG賞
IAG大賞、IAG準大賞、IAG奨励賞、審査員賞、漫喜利賞などをIAG審査員団の協議により決定
川原井 康之 KAWARAI Yasuyuki
1997年/東京都 出身
主な技法:リトグラフ、ペン画
[受賞コメント]
この度は多くの作品の中から準IAG大賞に選んで頂き、まことにありがとうございます。昨年の反省を踏まえ、作品の質の向上とともに、作品と同じタイトルの自作の掌編小説を展示したり、木目調のキャプションを使用する等、観た人が作品の世界にもっと深く没入できるよう工夫致しました。そうした点も今回の前進として評価して頂けたのではないかと思っています。
今回の結果を励みに、より一層良い作品を制作できるよう努めてまいります。
[講評: 押元一敏]
川原井康之さんの作品は、昨年の奨励賞から一歩前進して準グランプリとなりました。拝見して直ぐに昨年の作品が思い浮かび、間違いなく独自のスタイルが確立されており、技術的にも安定感がありました。前回の展示を観た上で自分なりの反省と学びに基づいて今回挑戦したと作者が言うように、明らかに向上したといえるでしょう。
丸山 純 Jun Maruyama
1994年/長野県 出身
主な技法:彫刻
[受賞コメント]
この度は、私の作品が準IAG大賞を受賞するという大変光栄な機会をいただき、誠にありがとうございます。この公募展に参加することができたのは長野市芸術館で開催された『市内作家によるアートグループ展2023』での賞与として、IAG AWARDS 2024に出展する権利を頂けたためです。審査員の皆様、そしてこの公募展を開催してくださった全ての関係者の皆様に感謝申し上げます。
自分の追求してきた形としての表現が評価頂けたこと、一方で展示方法についての課題など、今後制作していくうえで私にとって大きな励みとなりました。
この度の受賞を機に、一層努力してまいります。ありがとうございました。
[講評: 押元一敏]
丸山純さんの作品は、独創的且つ温かみのある形で何処か人間の持つ懐かしさを想起させ、その魅力に惹きつけられました。展示のあり方がその魅力をうまく発信できていたのかといえば疑問を感じたため、今後の期待の意味も含めて準グランプリとなりました。
[講評: 金丸悠児]
丸山純さんの作品はお世辞にも華やかとは言えない、アート公募展に必要とされる「目立つこと」や「大きいこと」からはかけ離れたものといえます。そのような特性にも関わらず、IAGにて準グランプリを勝ちとれたのは、一重にプリミティブな造形に魅力が集約されていたからに他なりません。
作品の特徴は、動物のようではあるが要素が削ぎ落とされ抽象化されている、そして土偶や縄文土器を彷彿とさせる紋様と独特なフォルムが印象的です。その霊的な存在感に、見る人々は畏怖や尊さを感じてしまうのではないでしょうか。
その造形センスは丸山さん独自のものですので、これからも絶え間なく作品を生み出していただきたいと思うばかりです。
岡村あい子 OKAMURA Aiko
1999年/神奈川県 出身
主な技法:アニメーション
[受賞コメント]
この度は奨励賞をいただきありがとうございます。この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。至らない点も多々ある中で、IAGに携わる多くの方々にサポートして頂き、自分にとってかけがえのない経験を得ることができました。
「アニメーション」そして「アニメーションの展示」はまだまだ発展途上の、大きな可能性を秘めた畑だと信じています。IAGでの学び、そして「奨励」を胸に、これからも作家としての歩みを止めずに精進してゆきます。
またどこかで、お会いできることを楽しみにしています。
[講評: 三橋 純]
IAGの初期から主に写真や映像、アニメーションなどの作品に注視して来ましたが、過去にも作品の密度や完成度の高い作品はあっても、なかなか会場展示という空間において効果的な展示に至らず、平面作品や立体作品を上回る評判に至りませんでした。今回IAG奨励賞に選出された岡村さんの作品は、描画表現から出発した経緯を持つアニメーションへの展開、そしてインスタレーションへの可能性にチャレンジしている熱意が強く感じられました。描画における筆の運びや掠れ、絵の具の重なりは、キャンバスを抜け出し動画表現となっているのです。自身でも語っているように“絵画としてのアニメーション”表現は、岡村さん自身の心の動きを“時間”という尺度の中で、蠢き、震え、変容している作品へと昇華しているように感じます。移ろいゆく現実とそれに呼応するかの様に揺れ動く作者の心境は、日常的なふとした視線の先に、儚い瞬間として生を感じているようです。岡村さんの作品には危うさような息遣いを感じ、私たちは爪痕を見つめる様に釘付けにされるのです。自画像から聞こえてくる時間のヒダが、私たちに存在や現在を突きつけてくるようです。精力的な創作活動を今後も見守り、是非新作を期待したいと思っております。
DUANHAOYUE TSUKINARI
1996年/中国内モンゴル 出身
主な技法:ペン、インク
[受賞コメント]
この度、IAG奨励賞を受賞することができ、大変光栄に思います。
私は漫画の表現方法が大好きで、作品にその独特の「面白い感覚」を取り入れることで観者に楽しんでもらいたいと考えていました。深く考えた末に自分のスタイルを確立しましたが、展示の際にはまだ未成熟な部分もありました。制作時は「描きたい」という気持ちを優先して自由に描いたため、最終的な結果が良かったことに安堵しています。人生は後戻りできませんが、やりたいことがたくさんあります。これからも「描きたい」作品をすべて形にしていきたいです。
この展示は私にとって非常に意義深いものでした。また、参加した他の作家たちと交流し、多くのことを学び、大いに刺激を受けました。今後も水性ペンや他の素材を組み合わせて、より優れた作品を制作していきたいと思います。
最後に、この展覧会に関わったすべての審査員の皆様とスタッフの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
[講評: 松井えり菜]
モノクロームの画面に繊細な筆致の小花が舞い散っているダンさんの作品は、暗がりの二次会場で一際目立っていました。コントラストが強いからかな?と近づくと遠くからでは見えない高度なペン画テクニックが画面中に敷き詰めてあり、圧巻の構成力は観るものを魅了しました。今作は、初めて描いた大作とは思えない存在感を放っており、マンガ・アニメの街である豊島区のコンペティションに相応しい作品であると感じました。
これからもペン画に留まらず様々な技法にも挑戦し、作風の幅を広げ積極的に作品制作を続けて欲しいと願っております。
中根隆弥 Ryuya Nakane
1996年/山梨県 出身
主な技法:インスタレーション、コラージュ、パピエ・コレ、アッサンブラージュ
[受賞コメント]
この度は、IAG奨励賞を頂戴し誠に光栄に思います。本展示では、多くの学びがあり今後の課題も再発見できました。また、入選された作家の方々とのコミュニケーションを通して、作品の表現方法だけでなく、作品制作における考え方や付き合い方などを多角的な視点で捉え直すきっかけとなりました。今回いただいた貴重な経験を今後の作品制作に昇華・深化させ、わたしが目指す「生の芸術」を創り続けます。ありがとうございました。
[講評: 喜多祥泰]
中根隆弥氏の作品には、観客が足を止め覗き込み、調べるようにしていろいろな方向から眺めて時間を過ごし楽しんでいました。少し離れてみていた私には、そこには原初からある禁領域があり、訪れる人は普段はながめてはいけないルールは知っているけど、今は見てもいい時だから存分に探っています、という不思議な体験をしているように映りました。とても印象に残る作品であり、展示だったと思います。
中根氏の作品は、自身が使用した道具類と、それを保管する倉庫の所有者との物語が投影されているように感じます。中根氏の道具と農具の組み合わさった「何か」は、その筆が残す筆致の粗雑さから、どこか呪術的であるようにも見えます。一方で、壁にかけられたオブジェは対照的に寡黙な印象を与えていたように思います。配置はやや地表や道具類より離れて上にあることで、「粗雑とそうでないもの」の見事な対比を生み出していました。中根氏の魅力は、彼自身も言語化できないフィールドワークによって得られた、二項対立のはざまであるように感じました。過去の道具である農具と、中根氏の現在の道具が、今後どのような未来を描くことになるのか、いろいろな方向から眺めて楽しみたいと思います。
有理yuri Shanye yuri
1999年/中国 出身
主な技法:紙に水性絵具、パステル/立体
[受賞コメント]
今回の作品には、私自身の親子関係の中で感じた愛情や執着、孤独といった非常にプライベートな感情が込められています。これらの温かさと悲しさが交錯する気持ちを抱きながらも、両親が私を愛していること、そして私も父と母を愛していることを深く理解しています。この作品を通じて、私個人の思い出から親子関係に普遍的に存在する感情を、誇張せずに落ち着いた雰囲気で表現したいと思いました。
この度、IAG奨励賞を受賞できたこと、そして喜多先生から評価をいただけたことに対し、心より感謝しております。まるで私の気持ちが少し共鳴したかのように、温かく感じております。
[講評: 喜多祥泰]
有理yuri氏の作品には愛がありました。会場で出会った親子群像には、誰もが心を温かくし原風景を思い起こしたことと思います。主題はメッセージ性が強くとても目を引く作家性に感じますが、絵画的には全く違うところを評価しています。
画面はパステル等を巧みにあつかい平滑に扱われていますが、光や影は描いておらず、境界線とでもいった方がいいような、線を印象つける補足的な描写にとどめられています。必要最小限ともいうべき彩色は、全体を調和させて、印象的な画面作りを成功させています。言い方をかえると、ある意味で極めて禁欲的な描写であり、牧歌的なテーマに緊張感を与え清々さを感じさせており、素晴らしい表現者だと感じました。
展示としては、同じサイズのパネルを繰り返し用いることで親子群像と物語を強調できていたと思いますが、親子群像ではない愛までは示せていないのではないかという点で奨励賞にとどまりました。「夢の如く、影の如く」のような別の質感の作品によって、対比構造を投影できると、展示の可能性は広がるように思います。
オーマ Ouma
東京都 出身
主な技法:Mixed Media
[受賞コメント]
漫喜利奨励賞に選んでいただき、ありがとうございます!
世界の現代アートが担っている役割は、日本ではマンガが担っているとかねてから考えていたので、漫喜利部門での受賞を本当にうれしく思っています。
近年、横読みマンガは読み方が難しいと言われ始め、縦スクロール型のマンガが世界的に流行り始めています。横と縦のマンガ手法が、今後どのような発展を見せるのかも楽しみにしつつ、自作を発展させていきますので、引き続き、応援の程、よろしくお願いいたします!
[講評: 山内康裕]
現代の若者にとっての社会との繋がりは、スマートフォンでの画面越しのSNSのタイムラインだとすると、時間は縦に流れています。最近ではスマートフォンで読むマンガも、縦スクロールで時間を流すのがグローバルでは一般的になっています。マンガの新しい形式と社会性を見事にシンクロさせており、マンガ×アートの「今」を表現している良作だと思います。マンガでは使われないレイヤー構造もビジュアライズの観点から新鮮かつ効果的なだと思います。SNSのタイムラインも縦スクロールマンガも見ることができる範囲は一瞬に過ぎない、その刹那をどう落とし込むか、掛け軸状の出力よりもう一歩踏み込んだ可能性がある気がしましたので、今後に期待しています。
JAGGYBOX
主な技法:Digi-drawing
[受賞コメント]
この度は漫喜利奨励賞をいただき審査員並びに関係者一同様に深く御礼申し上げます。偶然見た公募展の漫画というキーワードが目に止まり、追い求めているアートスタイルで提案できると思い立ち、想起から展示まで何かに導かれるまま出展参加に至りました。今後もアートカルチャーという個性を発揮する活動が世の中を明るく照らすことを願いつつ、今回の激励のようなご評価を足掛かりに新たな風を吹かせつづけます。stay up!
[講評: 山内康裕]
マンガとしても読みやすさ、集合体としての作品のまとまり、マンガへの理解度とアートとしてのフィジカルな仕上げが、高水準で昇華していて、良作だと思います。故に、ある意味オーソドックスにマンガ×アートを具現化した作品とも言え、もう一歩マンガらしく驚きが欲しかったです。マンガ×アートで高水準の作品を作られる素地ができていると感じましたので、今後に期待しています。
豊島区長賞
豊島区長による選出(副賞として豊島区立熊谷守一美術館での個展開催)
岩本 依留羽 Iwamoto Eruba
1992年/愛知県 出身
主な技法:鋳造 (真土込め型鋳造法、石膏鋳造法)
[受賞コメント]
この度は豊島区長賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。私は他者と関わることで起きた自分自身の変化をテーマに作品を制作しております。今回の賞を賜ることにより、さらなる自分自身の変化を楽しみながら新しい造形へと昇華していきたいと考えております。本来であれば直接御礼を申し上げるべきところですが都合によりそれが叶わず、この場をお借りして高際みゆき豊島区長に心より御礼申し上げます。
[講評: 高際みゆき豊島区長]
岩本さんの出品は3点とも完成度が高く素晴らしいものでしたが、特に「つつむヒト(技法:ブロンズ)」を見た瞬間に、独特なフォルムがなんとも可愛らしく、親しみやすさがあり、心がとても安らぎました。また、創造的なビジョン、地域社会へのつながり、芸術を通じて変革をもたらす強い力を感じ、岩本さんを豊島区長賞に選びました。
岩本衣留羽さんの今後の活躍に期待しています。
オーディエンス賞
来場者投票によって選出
藤田 育代 Fujita Ikuyo
東京都 出身
主な技法:ニードルフェルティング
[受賞コメント]
我が家のいたずらうさぎが、大勢のお客様に「いいね!」と思っていただけたこと、大変嬉しく光栄に存じます。
台風などの影響でお足元の悪い日が多い中IAGにお運び下さいました皆様、IAG関係者の皆様、出展作家の皆様、支えてくれている家族友人、そしていつも面倒くさそうに手伝ってくれていたモデルのちびちゃんに、心より感謝申し上げます。
張 瑞麟 ZHANG Ruilin
1996年/中国 出身
主な技法:インスタレーション
[受賞コメント]
IAG24では、準オーディエンス賞をいただきありがとうございました。
大学院生の頃から、雨の風景をテーマに作品を制作してきましたが、近年、研究者の視点から考えようとし、雨の風景をインスタレーションで再現する意味に悩むことが多くあります。雨のような自然現象は非常に美しく興味深いもので、人々の関心を引くものだと思います。しかし、インスタレーション作品である以上、その現象を物理的に再現するだけでなく、その魅力をよく理解することで、体験者に感動と喜びを伝えることが大切だと思います。そこで、作品の制作とフィードバックを通して、雨という現象の魅力をどう捉え、インスタレーションアートの表現力をどう活かしていくことを模索していきたいと考えています。
また、IAG24展の際には、会場に来てくださった皆さんからたくさんの励ましをいただい、同僚から多くの助けをいただき、他分野の先生方からも貴重なご意見をいただいて、とても感謝しております。今後も作品を作り続けていきたいと思います。
オーディエンス賞 上位入賞者
| 3位 | Otti Ouri |
|---|---|
| 4位 | 安部正兼 東武百貨店ギャラリー賞 |
| 5位 | オーマ 漫喜利奨励賞 |
| 6位 | ナカダマコト C-DEPOT賞 |
| 7位 | 木曜日 |
| 8位 | 岩本依留羽 豊島区長賞ギャラリー上り屋敷賞 |
| 9位 | 井下紗希 |
| 10位 | 辻宣 |
パートナーズ賞
本公募展を応援してくださる豊島区内外のギャラリーなどが選出
安部 正兼 Abe Masakane
1999年/神奈川県 出身
主な技法:陶芸 粘土彫刻
[受賞コメント]
この度は素晴らしい展示機会をいただき、また東武百貨店ギャラリー賞という素敵な賞をいただけたこと、誠に光栄に思います。これからも自分の手と頭を頼りに探求を続け、よりおもしろく作品を制作してまいります。展示にあたりお世話になったIAGの皆様、出品作家の皆様、展示にお越しくださった皆様、心より御礼申し上げます。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
岩本 依留羽 Iwamoto Eruba
1992年/愛知県 出身
主な技法:鋳造 (真土込め型鋳造法、石膏鋳造法)
[受賞コメント]
この度はギャラリー上がり屋敷賞をいただき心より感謝申し上げます。私は鋳金という、金属を熔かし造形する方法で作品を制作しております。金属から与えられるエネルギーに頼るだけではなく、より一層作品の魅力を感じていただけるよう、さらに研鑽を積んでいきたいと思います。本来であれば選んでいただいたことを直接御礼を申し上げるべきところですが都合によりそれが叶わず、この場をお借りして御礼申し上げます。
[選出: ギャラリー上り屋敷]
展示会場をゆっくり拝見したとき、スラリとした作品の鋭さにひかれ、足が止まりました。作品と対話していると、引き込まれ暖かな気持ちになりました。鋳金岩本依留羽さんを2024年上り屋敷賞に決めました。
阿部 駿 Abe Shun
1994年/静岡県 出身
主な技法:写真
[選出: Gallery KAMON Irie]
阿部駿氏の作品の前に立つと、過去から現在への、そして今歩いて来ただろう街角の風を感じさせる。
建築物の稜線、影が人を際立たせている。それが、モノクローム表現でより強調されている。
人の動きを観察、想像、予測して生まれた作品だと思います。
藤田 育代 Fujita Ikuyo
東京都 出身
主な技法:ニードルフェルティング
[受賞コメント]
広い壁でうさぎがいる風景が見たいなぁという願いが叶い、更にこのような栄誉ある賞を賜りましたことを幸甚に存じます。
作品を通してあたたかなつながりがたくさんできましたこと、宝物にしてゆきたいと思っております。
[選出: ギャラリー路草]
羊毛フェルトを使った大きな作品はインパクトが強く、大迫力の可愛らしさでした。
ウサギの表情やしぐさはコミカルでキュートでしたし展示壁面の装飾との調和も素晴らしかったです。
今後の作品も楽しみにしております。
可児 貴子 Kani Takako
1997年/東京都 出身
主な技法:日本画
[選出: 栗原画廊 栗原 宏]
具象と抽象の狭間にある曖昧な世界を心象風景として表現された可児貴子さんの作品に非凡な才能を感じます
個性ある自己の世界を一歩 〃 追及して頂きたい思います
これからの作品制作を楽しみにさせて頂きます
ナカダマコト Nakada Macoto
1991年/東京都 出身
主な技法:木材彫刻
[受賞コメント]
賞を頂きありがとうございます
今後の製作の励みになります
[選出: C-DEPOT 金丸悠児]
ナカダマコトさんの作品はいわゆる「超絶技巧」に類される、人間の手で作られたものとは思えない脅威的な完成度を誇る作品です。まず、そのようなアーティストがIAG AWARDSに応募してくれたことを嬉しく思いました。そして己の技術を誇示するのではなく、消費されてしまう自然素材の行く末を憂い、その想いを形にしたのだと本人から伺い、作家の愚直な姿勢に感銘を受けました。
宮木 沙知子 Miyaki Sachiko
1985年/青森県 出身
主な技法:パネルにアクリル
[受賞コメント]
この度は、ターナーギャラリー賞にご選出頂きまして誠にありがとうございました。
3×3.3メートルの壁面に作品をどのように展示をするか、とても悩みましたが、個々の作品を見せるのではなく、壁面を一つの空間と捉えて作品を展示するという選択をしました。普段は選択しない挑戦的な展示になりましたが、今回評価頂けて大変嬉しく思っています。
作品は絵具の混じり合う表情や偶然性を活かした手法で制作しています。絵具の総合メーカーであるターナー株式会社様より賞を頂けたことは、自分自身が感じている色彩の美しさや面白いと思う感覚が作品を通して伝えられたのではないかと感じています。
今回の賞を励みに、今後も精進していきたいと思います。
野中 美里 NONAKA Misato
1995年/日本 出身
主な技法:平面 油彩 テンペラ
[選出: 名村大成堂]
野中さんの作品は色彩力豊かで筆を大胆に使ってくれていて筆製造の弊社としましては是非今後ご活躍なさってほしいアーティストと思い「名村賞」に選ばせて頂きました。
ニイナ NIINA
2003年/東京都 出身
主な技法:写真 / 映像 / インスタレーション
[選出: B-gallery]
彼女の作品は、圧倒的にクオリティと完成度が高く、迫力があり、見せ方も美しく、素晴らしいと思いました。
来秋の当画廊での個展が非常に楽しみです。
喜愛来 KIARA
2002年/兵庫県 出身
主な技法:ペン画、点描画、水彩画
[受賞コメント]
今回展示させていただいた作品は、大学の卒業制作で描いた作品でした。
4年間の集大成として長い期間この絵と、これまでの自分と向き合い今ある技量でどう変化を起こせるかを悩み続けて完成させた作品がこの場で展示させていただけたこと、そして賞をいただけたこと凄く嬉しい気持ちです。ありがとうございます。
私の活動における大きなコンセプトとして、悲痛な気持ちで覆われてしまう時に負の感情を芸術を通して救ったり一緒に前向きに進んだりできるような、感情に寄り添える作品や場所を作りたいという目標があります。
この目標を果たす為にこれからも様々な場所で作品を見ていただける機会を増やせるよう今回いただいた嬉しい結果をバネに課題と向き合い制作し続けていきたいと思います。
[選出: WACCA IKEBUKURO]
作品の美しさに惹かれると共に、添えられるメッセージに当施設を訪れる皆様にもぜひ触れて頂きたいと思いました。ご一緒出来ますことを大変嬉しく、楽しみにしております。
有理yuri Shanye yuri
1999年/中国 出身
主な技法:紙に水性絵具、パステル/立体
[受賞コメント]
美術館でしか見られないアート作品だけでなく、本のように手に取られ、見る人と一緒に時間を過ごし、お互いの心に触れ合うものを作りたいと思っています。しかし、こういった思いから作った作品が本当に認めてもらえるのかと、ずっと自信がありませんでした。この度、IAGの応募にも再三迷い、最後には思い切って申し込みました。今回、協同組合美術商交友会賞をいただけたことは、作品の発表を始めた私にとって大きな励みとなりました。
日本にいて、常に新人作家に対する非常に温かい発表の環境を感じています。このような素晴らしい雰囲気を大切にし、これからもさらに努力してまいります。
[選出: 協同組合美術商交友会 佐々井智子]
淡い色彩による夢のような作品が目を引きました。確かな画力と中国の伝統的水彩技法を用いているというところも興味深いです。今後の活動を楽しみにしています。
都市間提携特別賞
豊島区が推進する芸術文化による都市間提携の一環として、提携都市によって授与
中根 隆弥 Nakane Ryuya
1996年/山梨県 出身
主な技法:インスタレーション、コラージュ、パピエ・コレ、アッサンブラージュ
[受賞コメント]
この度は、裏小樽モンパルナス特別賞を頂戴し誠に光栄に思います。わたしが作品制作で扱う素材はファウンド・オブジェです。いまやファウンド・オブジェと一言で表しても多岐に亘りますが、わたしはそれらが持つ使用者の記憶や時の集積を作品の一部として、いまのわたしを創る一部として融解させたいのです。その点でも、北海道小樽市に残る歴史的建造物やその土地で過ごした人々の記憶が残る街での素材収集、滞在制作および展示は、わたしにとって特別な意味を持たせてくれます。小樽市そのものが経験してきた歴史や文化、人々の記憶と時の集積が、わたしを構成する一部となることを想像すると全身に至る心地のよい震えが止まらなくなるのです。小樽市が内包する「モノたち」が新たなわたしを創り上げ、そこから生じる荒々しい衝動と本能が新たな価値を体現させます。本レジデンスでは、地域コミュニティの方々との関わり合いについても積極的に行い、作品制作を行いたいです。
よろしくお願いいたします!
川原井 康之 KAWARAI Yasuyuki
1997年/東京都 出身
主な技法:リトグラフ、ペン画
[受賞コメント]
この度は長野市芸術館特別賞を頂き、まことにありがとうございます。準IAG大賞と合わせて、本当に嬉しい限りです。
長野県には高校時代に校外学習として戸隠まで伺ったことが一度あります。当時は雨が降り、靄がかった中でスケッチをしました。輪郭がぼんやりとする山中に朦朧体のような印象を抱きました。長野市芸術館はその麓を下った方にあると聞き、ご縁を感じます。
作品を多くの方たちに観て頂くと共に、長野の空気に触れ、制作の糧にしたいと思っております。
[選出: 長野市芸術館]
川原井康之さんは、大きく分けて2つのモチーフを軸にリトグラフ技法とペン画を用いて表現している作家さんです。抽象的な「流れ」、具体的な「家」。この2つをベースに創る川原井さんの作品からは日本的な余白を感じられる作品が多いと思います。各作品へコンセプトがじっくりと昇華され、繊細な描写と淡い色彩が織りなす独特な世界観がとても素敵だと思い、選出させていただきました。
ヒョーゴコーイチ Kooichi Hyooogo
新潟県 出身
主な技法:炭化彫刻
[受賞コメント]
東京芸術劇場の空間で作品を吊り下げてみたい!と思い応募させて頂き展示が実現したうえに、このような賞をいただきまして誠にありがとうございます。自分の扱う素材に対する意識や意味を改めて考えることが出来ました。関係者の皆様、協力していただいた皆様、ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。今回の経験を糧に、制作を続けて参ります。
[選出: 長野市芸術館]
ヒョーゴコーイチさんは、炭化彫刻という無塗装の炭の美しさを追求しながら制作している作家さんです。ヒョーゴさんの作品は、全体を俯瞰して見ることで感じる造形的な美しさが特徴だと思います。人工的な規則性ではなく有機的な曲線と素材が持つ力強さによって、ある種の規則性と自然へ回帰するようなミニマルな空気感が素敵だと感じ、選出させていただきました。
入選作家リスト
※五十音順。サムネイルをクリックすると作品画像を確認できます(準備中)。
国籍・年齢・ジャンルを問わず選抜されたアーティストたちが東京芸術劇場に集結。
「展示力」を審査対象として様々な視点による多様なアワードを授与! 来場者投票によるオーディエンス賞も!!
●主催:池袋モンパルナス回遊美術館実行委員会(NPOゼファー池袋まちづくり/立教大学/東武百貨店/西武池袋本店/豊島区 ほか)
●共催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
●協力:公益財団法人としま未来文化財団
審査員
チーフディレクター
小路 浩 <Hiroshi Shoji> アートディレクター / JIAN 代表
AWARDS
-
● IAG賞
IAG大賞、IAG準大賞、IAG奨励賞、審査員賞、漫喜利賞などをIAG審査員団の協議により決定 -
● 豊島区長賞
高際みゆき豊島区長による選出(副賞として豊島区立熊谷守一美術館での個展開催) -
● オーディエンス賞
来場者投票によって選出 -
● IAGパートナーズ各賞
本公募展を応援してくださる豊島区内外のギャラリーなどが選出
東武百貨店アートギャラリー賞/協同組合美術商交友会賞/C-DEPOT賞/WACCA池袋賞/栗原画廊賞/ギャラリー上り屋敷賞/ギャラリー路草賞/B-gallery賞/ターナーギャラリー賞/★GALLERY KAMON Irie 賞/★名村大成堂賞/八犬堂ギャラリー賞 他 -
● 都市間提携特別賞
豊島区が推進する芸術文化による都市間提携の一環として、提携都市によって授与
裏小樽モンパルナス特別賞(アーティスト・イン・レジデンス招待)
長野市芸術館特別賞(長野市芸術館での展示)
掛川市特別賞(掛川市アートフェスタでの展示)
フォトギャラリー
IAG AWARDS 2024 の展示風景です。
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[受賞コメント]
この度このような名誉ある賞をいただき、審査員の皆様、関係者の皆様に御礼申し上げます。
美術史や美術評論等で言われる「絵画の死」と、それでも「絵画が死なない理由」を修士論文で自分なりに研究していました。その中で、まず時代を遡って「誰もが絵画が死ぬとは考えていないであろう時代」の事を思って作品を描くことで、自身の基礎的な部分を見つめ直したいというのが、この二層構図(プラトー構図)で静物・人物・風景を描く様式です。まだまだ実力不足ですが、今後少しずつ納得のいく形で発展させたいと考えています。
様々な表現形態の作品がある中で、平面作品での受賞と審査員の方々に頂いた様々なお話は、「絵画が死なない理由」を改めて想起し考える、かけがえのない機会になりました。
最後になりますが、展示や応募の際の暖かいご対応もIAGの魅力だと感じています。事務局の皆様、出展者の皆様には、展示の際お世話になり、大変ありがとうございました。
[講評: 押元一敏]
温井大介さんの作品は二次審査で現物を観た時から既に気になる存在でした。その大きさも然り、主題や筆致の力強さも重なって1点のみで明確に狙いを主張できる作品であるということは間違いなでしょう。意外にも多くの審査員も同様の意見を抱いていたことからグランプリに相応しいと決めました。
[講評: 渡辺おさむ]
「絵画が死なない理由」を探し、表現を模索している温井大介。
美術史上、「絵画は死んだ」と何度も言われてきた。写真の登場、コンセプチュアルアートの台頭など、新しい表現が出るたびに絵画は死んだと言われ、昨今はAIの出現により再び「絵画は死んだ」と言われる風潮が出てきている。しかし、長い歴史の中で何度も死にそうになっても、絵画は死なない。
「死なない絵画」とは、まさに温井大介が提唱するような静物画、人物画、風景画の絵画の基本様式なのではないだろうか。根源的な絵画表現は、どんなに新しい考えやメディアが出てこようとも、その強さを持つ。
本展に出品された作品「still life, figure, landscape」は、150号の巨大なキャンバスにどっしりとした人物が中央に鎮座し、同じ画面に風景と静物画が力強い筆致で描かれている。目まぐるしくトレンドの変わる現代美術の世界で、絵画の根源的エネルギーを持つ「死なない絵画」として圧倒的な存在感を放ち、見る者を圧倒させる。