池袋アートギャザリング公募展
IAG AWARDS 2025 Exhibition
会期:2025年11月21日[金]~ 11月30日[日] 会場:東京芸術劇場5階 Gallery 1 & 2
アーティスト
審査員総評
もう長いことIAGの審査に参加させていただいています。立ち上げから関わらせていただき、気づけば9年とのことらしい。徐々にこの取り組みが浸透してきて、出品への意欲も高まってきたのを実感しています。特に今回は二次審査の時点で既に良い作品が多かった印象があり、最終通過者の展示では、見応えのあるものになって良い意味でこちらの期待を超えてきたと思います。それは一人ひとりの意識が高いことから全体を押し上げている成果といえるでしょう。従って各審査員から印象に残る作品が多く挙がる中で賞を絞り込むのには大変苦労をしました。
ギャラリー賞などの数ある賞とは別に大賞の位置付けとしては、正にこの公募を代表する顔ともなります。それが今日における社会やアート業界に対して提起するものであり、次世代への指針にも繋がるため、1つの賞が周囲にどのような影響をもたらすかという意味で重要性を帯びてきます。これまでも分野に隔たりなく多様性と期待値の高さ、挑戦的で自由であること、当然ながらクオリティーの高さなど総合的に判断していきます。その結果の積み重ねがIAGの質の向上に繋がってきたと思える回でした。
今回の気づきとしては、過去に応募された人が再び参加した、前回は通らなかったけど今回は賞をもらったという声もあり、どれも確実にアップデートされていることから成長の場として担っていることにも喜びを感じます。また、年齢幅の広さも特徴の一つであり、それぞれの立場で挑戦を続け創作しているのがうかがえます。それらが一堂に展示を行うことで互いに刺激し合い、それを糧として今後の活躍に繋げていただければ幸いです。
審査員長:押元 一敏
IAG賞
IAG大賞、IAG準大賞、IAG奨励賞、審査員賞、漫喜利賞などをIAG審査員団の協議により決定
オガワミチ OGAWA Michi
東京都 出身
主な技法:ミクストメディア、ドローイングと廃材のアクリル板等を使った影絵のインスタレーション
[受賞コメント]
描くことが好きな私にとって、ドローイングは日常の痕跡です。過去になる絵画に対し「今を描きたい」私がたどり着いたのが、現場でやりとりしながら制作するインスタレーションでした。展示場所が限られる中、私にとってIAGアワードという貴重な機会を得られたこと自体がうれしい体験でした。
情報が溢れる世界は私たちを“知った気にさせる”一方で、頭の中で完結する誘惑に今を生きる難しさを感じます。だからこそ、私はこれからも、身体を通して“ここにいる今”をつかみ取る作品を追い続けたいと思います。数々の設計変更にも関わらず、温かく見守ってくださった運営の皆様、審査員の皆様、そして来場者の皆様に心より感謝申し上げます。
[講評: 松井えり菜]
オガワミチさんのインスタレーションは、ドローイングを媒介として日常の営みを丁寧に積み重ねた、時間の厚みと記憶の痕跡が共存している作品です。オガワさんが日々向き合ってきた出来事や行為、家族への想いが、ドローイングの断片となり空間に配置されています。光の反射やオーガンジーがつくり出す影は彼女自身のまなざしであり、鑑賞者の視線を自然と誘導しています。その中では、飲み干した無数の瓶や何気なく立てかけられた筆や刷毛すら単なる生活の残滓ではなく、植物の静物画を思わせるほど生き生きとした存在感を放ち、作品全体に柔らかな息吹として流れ込んでいるような印象を与えています。その効果も相まっておびただしい量のドローイングとインスタレーションが巧みに重なり合うことで、まるで生活そのものが立ち上がってくるような作用さえあるように感じました。結果、オガワさんのパーソナルな時間が、制作物というフィルターを通じて他者に開かれ、鑑賞者の中に“誰かの日常を覗き込んでいる”という感覚と、“自分自身の記憶が呼び起こされる”という二層の体験を生み出し、豊かな鑑賞体験を育んでいるように思いました。
生活と制作を地続きのものとして捉え、静かに、しかし力強く世界と対話している姿勢が高く評価され準グランプリ受賞となりました。
淺見とぎょ ASAMI Togyo
1967年/神奈川県 出身
主な技法:布人形にペイントや貼り付け
[受賞コメント]
この度は素敵な賞を頂きとても光栄です。
ありがとうございました。
「まだまだ見込みあるぞ」と背中を押して頂いたようで
今後も腐らず、めげず、時には呆けて
自分にしかできない作品で表現し続けたいと思います。
そして、もっとたくさんの人に観てもらう機会を作りたいと思っています。
運営の方々、審査員の方々、出展者の方々
皆さまのお陰で、勉強にもなりとても励みになりました。
ありがとうございました。
[講評: 渡辺おさむ]
淺見とぎょの作品の前に立つと、まず私たちは「人形とは何か」という根源的な問いを突きつけられる。そこに並ぶのは、腕や脚の比率が歪み、皮膚には無数の眼や臓器が刺繍され、ときに悪戯めいた笑みを浮かべる異形の存在たちだ。しかし、その奇妙さとは裏腹に、彼らはどこか親密さを湛え、こちらを静かに覗き返してくるようでもある。淺見は、人形が長い歴史の中で抱えてきた「ヒトガタの曖昧さ」を、現代的な造形として濃密に可視化している。
そもそも人形(ヒトガタ)は、身体の模倣であると同時に、人の代理として振る舞う文化的な存在だった。儀礼の依代、祈りや呪詛の対象、あるいは変身願望の媒介として、人形は常に人間の心身と深く結びついてきた。フィギュアやマネキン、ロボットといった現代の三次元表現もまた、この代理性の系譜の上にある。
淺見の作品は、その人形的な特性を現代の感覚で再解釈し、鋭く提示している。ユーモラスなタイトルや柔らかな素材が、かえって身体の不気味さや生々しさを際立たせ、鑑賞者は「見ているはずだった立場が、いつの間にか見られている側へと反転している」ことに気づく。そのキャラクターたちは、人とヒトガタの境界がふと揺らぐ瞬間を形として掬い上げた存在なのである。
こうした試みを通して淺見とぎょは、人形文化の長い系譜に現代的な光を当て、ヒトガタを介して「人間とは何か」を静かに問い直す。この人形たちは、私たち自身の身体感覚や存在意識を揺さぶる、小さくも確かな装置として機能している。
稲葉 草平 INABA Sohei
1983年/静岡県 出身
主な技法:塑造 油画
[受賞コメント]
この度は栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。
審査員の皆様、主催者の方々、そして日頃より支えてくださる皆様に心より御礼申し上げます。
私は古典的技法と実験的アプローチを組み合わせ、素材や空間における造形の可能性を検証してまいりました。
今回の受賞はその試みを評価いただいたものと受け止め、今後は技術的精度と思想的探究をさらに深め、より多様な表現を提示できるよう研究と制作を続けてまいります。
[講評: 三橋 純]
静寂なる対話:物質と幻影が織りなす「内なる部屋」
「夢」というこの大きな人体彫刻は、展示空間に足を踏み入れた瞬間、鑑賞者は「親密な沈黙」に包まれる。そこは単なる作品の陳列ではなく、誰かの精神世界を具現化したような、個人的な「部屋」の気配を感じるのである。そのため鑑賞者は誰かの部屋に招かれたような独特な居心地の悪さを感じるのである。
この作品の特異な点は、彫刻における「コンクリートと木材片」という異質な素材の結合にもある。有機的な木材片は、脆く傷つきやすい精神や記憶の断片を想起させ、そこに混ざり合う無機質で冷徹な重量感を持つコンクリートは、抗いようのない現実や肉体の重さを象徴させる。俯く巨躯が放つのは、圧倒的な物質感でありながら、同時に崩れ落ちそうなほどの内面的な揺らぎだ。また、その傍らにある絵画がこの空間に決定的な深みを与えている。「昼と夜の同居」というマグリット的な不条理さは、時間の感覚を麻痺させ、ここが現実の部屋ではなく、意識の深層であることを示唆する。描かれた道化のような者の頭には鹿のような角があり、明るい世界では蝶を操り、闇の世界では天を指差す、そして視点の定まらぬ瞳。それは、私たちが見ている夢のようでもあり、あるいは彫刻という「実存」が抱える「仮面(ペルソナ)」の姿のようにも映る。
この作品の素晴らしさは、立体と平面という異なる次元の二者が、互いに「憂鬱」という共通言語で共鳴し合っている点だ。彫刻の沈黙を絵画が代弁し、絵画の孤独を彫刻が肯定する。鑑賞者はその「部屋」に立ち会うことで、現代人が抱える言いようのない孤独や分裂した自己を見つめ、しかし同時に、その憂鬱が静かに許容されるような救済を感じるのではないだろうか。
「夢」というこの作品は、彫刻が背にした壁に絵(油絵)が飾られていることによって、空間が部屋に変化するのである。開かれたスペースが忽然と部屋として見立てられるその瞬間を、鑑賞者は彫刻と絵画の関係性から体験するのである。
稲葉さんは、長く彫刻を制作してきましたが新たに絵画を添えることで彫刻における新しい空間のあり方を提示した様にも感じます。小さい作品から大型の作品まで精力的に創作活動を続けている為、新たな作品の見せ方を模索しながら彫刻の可能性にチャレンジしていって下さい。期待しています。
PieniSieni
日本 出身
主な技法:オフフープ®立体刺繍
[受賞コメント]
この度はIAG奨励賞、豊島区長賞に選出して頂き誠にありがとうございます。
このような素晴らしい賞を頂けて嬉しく思うと共に、身の引き締まる思いがいたします。
東京芸術劇場という恵まれた場所で「作品を空間内でどう見せるか」を試行錯誤できたのは大変貴重かつ有意義な経験でした。
また共に在廊した作家の方々から学ぶことも多く充実した時間を過ごすことができました。
作品の改善点を具体的に認識できたことは今後の制作にとても有益なものであり、質を向上すべく技術の研鑽に励む所存です。
最後に、私の立体刺繍を掬い上げてくださった、本展運営ならびに審査員の皆様方に心より感謝申し上げます。
[講評: 喜多祥泰]
PieniSieni 氏の作品は、刺繍という伝統的な技法に端を発していながら、独自の造形力と異素材の組み合わせにより、新しい表現領域を切り拓いています。糸の重なりが生み出す繊細な色彩の揺らぎ、立体造形としての空間に配置された美しさ、それらが調和して結びつき、ひとつの表現として立ち上がっている点を評価しました。
本作における細部へのこだわりは圧巻であり、観る者は思わず作品の近くに顔を寄せ、隠された息づかいを確かめたくなるほどです。作者が自然の造形に目を向け観察することの積み重ねにより得た小さな命であると共感しました。しかしそのかわいらしさが際立つ一方で、審査の途中では、刺繡の厚みを持った質感も相まって「よくできた模倣」という印象を感じたのも正直なところです。
最終的には、展示の照明によって生まれる影や空間が美しく、そのコントラストから生命の切なさや作品の奥行が表現されたように感じました。伝統と革新が調和した本作では、刺繍が持つ可能性を大きく押し広げ、命を考えることの大切さを示し続ける作品だと確信しています。PieniSieni 氏の作品が、今後さらに展開することを期待し奨励賞に推薦しました。
三好 真弓 MIYOSHI Mayumi
1977年/岐阜県 出身
主な技法:水彩紙にアクリル絵の具
[受賞コメント]
この度は、栄えある賞をいただきありがとうございます。熱気あふれる素晴らしい作品達とともに展示していただけたことも、とても嬉しく思っています。ご尽力いただきました関係者の皆様に深く感謝いたします。
私は、自分を取り巻くこの世界について知りたいと思い、美術の世界に飛び込みました。観ることを通して学べるものが多いのではないか、と思ったのです。
実際、デッサンや制作をするうちに、いかにボンヤリとしか観ていなかったのかが分かりました。まだまだ道は果てしないですが、以前よりは世界が少しクリアに感じられるようになった気がします。
今を生きる自分が、風景をどのように観て表現できるのか、これからも模索しながら制作を続けていこうと思います。
[講評: 渡辺おさむ]
三好真弓の作品は「風景とは外側にあるのではなく、自分の内側から立ち上がるものなのだ」と気づかされる。ピンクの岩肌や樹脂粘土の小石は、岐阜の山々で過ごした幼少期の記憶がそのまま形になったように、人肌の温度を帯びている。石や山の硬さを忘れさせるその柔らかな質感が、鑑賞者との距離をそっと縮めてくる。
特に興味深いのは、彼女の石への深い愛着だ。下流で拾った小石から、上流へ、さらにその起源へと遡るリサーチは、地質学的な時間を自らの身体感覚へ引き寄せる試みでもある。小石から山へ、山から地球へと広がる視点は、風景を“巨大な存在の誕生”として捉えている。
樹脂粘土でつくられた小石の立体は、その循環をさらに可視化する。絵画のピンクの岩肌から、物質としての石が再び立ち上がることで、風景が「外」ではなく「内」から生まれるという三好の信念がより明確になる。
小石一つから地球規模の風景へ、三好真弓の静かで力強い創作は、風景の奥底で“生まれ続ける世界”をそっと見せてくれる。
李 丹 Li Dan
1997年/中国 出身
主な技法:日本画
[受賞コメント]
IAG AWARDS 2025 において「自己愛の三面鏡」をご評価いただき、大変光栄に存じます。本作は、自己愛を「内的意識と外界の相互作用によって形成される可変的な心理構造」と捉え、その多層性を岩絵具と墨の物質性によって可視化する試みです。支持体の選択、水と墨の比率調整、偶発性の制御など、素材研究に基づく複数のプロセスを組み合わせることで、自己表象の揺らぎや反復性を画面構造として定着させました。
今回の受賞は、自己愛の造形化に関する研究の一端が評価されたものと受け止めております。今後も心理構造と絵画表現の接続可能性を探究し、より理論的かつ実践的な研究を進めてまいります。審査員の皆様に深く感謝申し上げます。
[講評: 金丸悠児]
李丹さんのこれまでの作品には、瓶や壺などの器物と植物が一貫して登場し、主題として「カラス」がしばしば描かれます。作家本人によれば、制作の根底にあるのは「記憶の器」や「自己愛」というテーマであり、カラスは生命の象徴であると同時に、作家自身のアバターとしての役割も担っているとのことです。画面に現れるカラスはどこか人間的で、思索しているようでもあり、その解釈を鑑賞者に委ねる余白を持っていました。
展示会場での第一印象は、力強さと確かな技術に裏打ちされた、王道的な絵画作品というものでした。定められた展示面積を可能な限り使い、量で訴える作家が少なくないなか、本展では作品1点のみで勝負するという選択がなされています。その潔く堂々たる佇まいからは、歴史的な名画と向き合うかのような風格と緊張感が感じられました。また、古今東西の美意識を横断するような表現からは、李丹さんが日頃から真摯に芸術に向き合い、不断の探究心をもって制作に臨んでいる姿勢が強く伝わってきました。
作品は非常に完成度が高く、すでに一つの到達点にあるようにも見受けられます。しかし同時に、今後どのように深化し、さらなる評価を獲得していくのか、大きな期待を抱かせる作家でもあります。
IAG AWARDS が、李丹さんの今後の創作活動を力強く後押しする機会となれば幸いです。
豊田 玉之介 Toyoda Tamanosuke
1988年/群馬 出身
主な技法:キャンバスにアクリル
[受賞コメント]
この度は、漫喜利賞奨励賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。率直に申し上げて、自分が目指していた方向性とは異なる評価に少なからず戸惑いを感じています。しかしながら、私の作品が「マンガとアートの融合=漫喜利」という側面で、審査員の皆様の目に留まったことは事実であり、新たな可能性を示唆するものとして受け止めております。
今回の受賞を、自身の表現を改めて見つめ直し、さらなる高みを目指すための糧とさせていただきます。この機会を与えてくださった関係者の皆様、そして展示を訪れてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。今後とも、皆様の期待に応えられるよう、独自の創作活動に邁進してまいります。
豊島区長賞
豊島区長による選出(副賞として豊島区立熊谷守一美術館での個展開催)
greenhippo
1984年/大阪 出身
主な技法:レジン(樹脂)
[受賞コメント]
この度は、区長賞という光栄な賞をいただき、誠にありがとうございます。会場では、他の作家の皆さまの作品の迫力やクオリティに圧倒され、最初は少し気おくれしてしまったのですが、作家の皆さまや運営の方々、そしてお越しくださったお客さまとの交流を通して、多くの刺激と学びをいただくことができました。今回の経験は、自分にとって大きな励みとなり、今後の制作にも活かしていきたいと思います。このような素晴らしい機会をいただき、本当にありがとうございました。
PieniSieni
日本 出身
主な技法:オフフープ®立体刺繍
[受賞コメント]
この度はIAG奨励賞、豊島区長賞に選出して頂き誠にありがとうございます。
このような素晴らしい賞を頂けて嬉しく思うと共に、身の引き締まる思いがいたします。
東京芸術劇場という恵まれた場所で「作品を空間内でどう見せるか」を試行錯誤できたのは大変貴重かつ有意義な経験でした。
また共に在廊した作家の方々から学ぶことも多く充実した時間を過ごすことができました。
作品の改善点を具体的に認識できたことは今後の制作にとても有益なものであり、質を向上すべく技術の研鑽に励む所存です。
最後に、私の立体刺繍を掬い上げてくださった、本展運営ならびに審査員の皆様方に心より感謝申し上げます。
オーディエンス賞
来場者投票によって選出
青木 咲美 青木咲美
2004年/東京都 出身
主な技法:紙を使用した立体作品
[受賞コメント]
この度はオーディエンス賞を頂き心より感謝申し上げます。この展示会では、多種多様な作家の方々、関係者の皆様と交流でき、とても貴重で素晴らしい体験ができてとても嬉しく光栄に存じ上げます。私は昆虫や甲殻類等の生物と稼働機という異なる2種を融合させた紙立体作品を制作しています。この機会を得て、より一層作品制作に精を出していきたいとおもいます。私を支えてくださった大学の皆様、友人、IAG関係者の皆様、作品を見て下さった方々、心より感謝申し上げます。
堆朱のたべ 堆朱のたべ
新潟県 出身
主な技法:村上木彫堆朱(漆芸)
[受賞コメント]
この度は IAG AWARDS 2025 において『東武百貨店ギャラリー賞』『準オーディエンス賞』という大変光栄な賞を賜り、心より感謝申し上げます。いつどこで誰とお会い出来るか分からない。その可能性を信じ全日在廊を心掛け、作品の前で足をお止め頂いた皆様お一人お一人に村上木彫堆朱や自身の作品への想いを丁寧にお伝えして来ました。百貨店での展示を1つの目標とし、展示の仕方も工夫を凝らし今までやって来ました。その積み重ねて来た日々の成果が実を結んだのは大変嬉しく、ご支援下さる皆様の想いにも少し報いる事が出来たのではないかと思います。賞の名に恥じぬ様、引き続き精進して参ります。ありがとうございました。
パートナーズ賞
本公募展を応援してくださる豊島区内外のギャラリーなどが選出
堆朱のたべ 堆朱のたべ
新潟県 出身
主な技法:村上木彫堆朱(漆芸)
[受賞コメント]
この度は IAG AWARDS 2025 において『東武百貨店ギャラリー賞』『準オーディエンス賞』という大変光栄な賞を賜り、心より感謝申し上げます。いつどこで誰とお会い出来るか分からない。その可能性を信じ全日在廊を心掛け、作品の前で足をお止め頂いた皆様お一人お一人に村上木彫堆朱や自身の作品への想いを丁寧にお伝えして来ました。百貨店での展示を1つの目標とし、展示の仕方も工夫を凝らし今までやって来ました。その積み重ねて来た日々の成果が実を結んだのは大変嬉しく、ご支援下さる皆様の想いにも少し報いる事が出来たのではないかと思います。賞の名に恥じぬ様、引き続き精進して参ります。ありがとうございました。
Aya Kakeda AyaKakeda
1978年/東京 出身
主な技法:陶芸、墨、グァッシュ、版画
[受賞コメント]
この度は、栗原画廊賞という素晴らしい賞をいただき、心より嬉しく思っております。栗原画廊様、誠にありがとうございました。IAGの公募には今回が初めての応募でしたが、現代作家として活躍されているアーティストの方々に審査していただき、選出していただけたことを大きな喜びとして受け止めています。見応えとエネルギーに満ちた展覧会の一員となれたことを、大変光栄に思います。これからも作品頑張って作っていきます!ありがとうございました。
[選出: 株式会社栗原画廊 代表 栗原宏]
二十数年間に渡り、ニューヨークを拠点に(ヨーロッパも含め)様々な地域で作品を発表し、異なる文化や社会の中で視覚表現を探求されている懸田阿也さんです。
日本へ帰国され、「老い・母性・共存・時間」を主なテーマに自身の変化と深く向き合う作品を制作され、作品に登場するキャラクターたちは、作家の想像から生まれた空想の存在であると同時に、作家自身の分身でもあり、言葉にならない感情や、揺れ動く内面の状態を、視覚的に表現し、陶やガラスといった素材は時間が止まったような静けさ、記憶、また流動性や変化を象徴し、この数年に経験した大きな転換期を通して、変わり続ける現実と、その中で何度も訪れる「はじまり」を真に見つめ直して作品制作を続けられています。
今回の立体作品は、鑑賞する側に何かを感じ(想像)させてくれる、深い作品のように思います。
西尾 明奈 西尾明奈
1988年/東京生まれ奈良育ち 出身
主な技法:紙のシワを用いた技法
[受賞コメント]
この度はC-DEPOT賞に選出いただき、誠にありがとうございます。
私は元々C-DEPOTというアート集団を知っており、素晴らしいアーティストの方々が所属しているという印象を抱いていました。今回、代表である金丸さんから評価をいただけたことは大変嬉しく光栄に思っております。
私は2023年にアーティストとして歩み始め、2024年度のIAGでは一次審査で落選しました。その経験を踏まえ、2025年度の応募では「この展覧会にふさわしいレベルの作品をつくる」ことを自分に課し、制作と真剣に向き合ってきました。
展示に参加できただけでも大きな喜びでしたが、このような賞までいただけたことに、心より感謝申し上げます。
[選出: C-DEPOT 代表 金丸悠児]
西尾明奈さんの作品は、「紙のシワ」が生み出す陰影に造形美を見いだし、それを人の人生とも重ね合わせている点が非常にユニークです。さらに、表面を樹脂でコーティングすることで工芸的な堅牢さを与え、金箔との組み合わせによって日本的な美意識を印象づける、視覚的にも強い存在感を放つ作品となっています。
そうして生み出された紙のシワを支持体として、ペンによる「松の盆栽」の描写が加えられているのが本作となります。松の盆栽には生と死の象徴としての意味が込められ、現代に生きる人々の心に寄り添うメッセージが託されていると、西尾さんは語っていました。
西尾さんの作品は、今後も多くの鑑賞者の共感を呼ぶことと思います。また、独自に編み出された技法には、多様なシーンへと展開し得る柔軟性と、さらなる進化の可能性を強く感じました。これらの点を高く評価し、C-DEPOT賞として選ばせていただきました。
柿沼 美侑 柿沼美侑
2001年/東京都 出身
主な技法:陶芸、てびねり、野焼き焼成
[受賞コメント]
この度は、数ある素敵な作品の中からIAG大賞、並びにB-gallery賞に選出いただき、大変光栄に存じます。作品を評価してくださった審査員の方々、そしてサポートしてくださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。「十二心象土偶」は、十二神将像をモチーフに、それぞれの神様の役割や特徴に自己の心象を重ね、土偶へと再解釈した作品です。展示会を通して、誰かの心のお守りになることができたら嬉しいです。
IAG AWARDSでは、スタッフの皆様も、出展していた作家の皆様もとても温かい方々ばかりで、人同士の繋がりを大切にしている公募展だと感じました。
このような評価を励みに、今後も精進してまいります。
この度は本当にありがとうございました!
[選出: B-gallery 代表 長はるこ]
柿沼さんの作品は、まずその大らかでユニークな造形に惹かれました。悠久の時の流れを感じるというか、土偶のようでありながら、顔がある訳でなく、人物ではない。新薬師寺に納められている十二神将像をモチーフに、十二体それぞれに与えられた役割やその特徴と私の心象を重ね合わせて再解釈し、造形した作品です。という事で納得致しました。来年5月、回遊美術館の時期に、当画廊で12体揃うのを非常に楽しみにしています。
井上 郁 井上郁
1991年/千葉県 出身
主な技法:鎚起・打ち出し
[受賞コメント]
この度は東京芸術劇場での展示機会と、ギャラリー上がり屋敷賞をいただき誠にありがとうございます。
幼少より好きな昆虫などをモチーフに、金属工芸の鎚起や打ち出しの技法で作品を作っています。今回は初展示だったので今まで制作した作品群の展示でしたが、また機会があれば空間を使った作品にも挑戦していきたいです。
[選出: ギャラリー上り屋敷 代表 若原典子]
作品を持ってきていただき、拝見しながら、金属を金槌で打って形をつくる鍛金の技法をお聞きしました。
審査会場で拝見した時は、石のうえに小さな作品が乗っているのだと思っておりました。その石も打ってるのに驚くを隠せませんでした。
素晴らしい作品に出会えて嬉しい限りです。5月の展示が今から楽しみです。
近江 亜門 近江亜門
1994年/大阪府 出身
主な技法:Mixed media
[受賞コメント]
この度は WACCA IKEBUKURO賞を頂き、誠にありがとうございます。
今回展示した"New ore"シリーズは、2023年頃から制作している作品で、これまでの展開を幅広くご覧いただけるよう構成しました。
近年の作品では、その時代や人間性、国民性、年齢、性別、ライフスタイルといった要素を覗き見る鉱石として扱い、土地や時代の背景から産出される情報を取り入れています。
物が内包する情報を凝縮し、未来の視点から現在がどのように見えるのか。
この作品を通して、多角的な思考や感覚を受け取っていただければ嬉しいです。
[選出: WACCA 池袋 販売促進担当 加茂雅隆]
近江さんの作品を当施設にお招き出来ることを願い選考させて頂きました。
直接お話をお聞きすることもでき、より楽しみが増しております。
芹澤 美咲 芹澤美咲
2002年/埼玉県 出身
主な技法:油画
[受賞コメント]
この度は、名村大成堂賞をいただきまして誠にありがとうございます。作品をご丁寧に受け止めてくださり大変光栄に思っております。
ジャンルや素材を横断する素敵な本企画は、東京芸術劇場という空間も相まって、作品同士が影響し合う、よい意味での混沌を感じる場でした。その中に自身の作品を置かせていただいたことは、今後の制作を考える上でも大きな刺激となりました。
名村さんの画筆は、ふくみがよい上しっかりとコシがあり、柄の部分の質感も手に馴染み、とても使い心地がよいです。制作の相棒として大切に使用させていただき、引き続き精進してまいります!
改めまして、ご高覧くださった皆さま、関係者の皆さまに心より御礼申し上げます。
[選出: 名村大成堂 営業部 課長 鈴木隆之]
この度、芹澤美咲氏に名村大成堂賞を贈呈いたします。
名村大成堂は、筆づくり一筋に歩んできた製造メーカーとして、画筆を通じて多くのアーティストの創作活動を支えてまいりました。筆は単なる道具ではなく、作家の感性と技術を画面に伝える大切なパートナーです。その穂先に込められた職人の技と、それを操る作家の感性が出会うとき、真の表現が生まれると私たちは信じています。
芹澤美咲氏の作品には、筆ならではの表現力が随所に息づいています。繊細な線の強弱、墨や絵具の濃淡、筆致のリズム——これらは筆という道具を深く理解し、その特性を存分に活かしているからこそ生み出される表現です。筆を握る手から画面へと伝わるエネルギーが、作品に生命を吹き込んでいます。
また、芹澤さんの制作に対する真摯な姿勢には、今後さらなる成長への可能性を強く感じます。筆という伝統的な道具を使いこなしながら、独自の世界観を築こうとする探求心は、まさにこれからの画壇を担う若き才能にふさわしいものです。
この受賞を機に、芹澤さんが筆とともにさらなる技術の研鑽を重ね、表現の幅を広げていかれることを心から期待しております。良質な筆は、作家の成長に寄り添い、新たな表現の扉を開く鍵となるでしょう。名村大成堂の筆が、芹澤さんの今後の創作活動の一助となれば、これ以上の喜びはございません。
芹澤美咲さんのさらなるご活躍を祈念し、ここに名村大成堂賞を贈ります。
辻本 大樹 辻本大樹
1995年/富山県 出身
主な技法:パステル
[受賞コメント]
約三年前にパステル画を描き始めて以来、「峡谷」という主題は私の創作の核となってきました。
それは、自分の人生が満たされる場所を探し続ける旅の軌跡でもあります。今回の展示では、そんな峡谷の世界を30点の絵で構成し、一つの風景として立ち上げることができたように思います。
これからも新しい路を拓きながら、この世界を探り続けていくつもりです。
私的な作品ではありますが、ご覧いただく中で少しでも何かを感じとってくだされば幸いです。
[選出: 協同組合美術商交友会 Sasai Fine Arts 代表 佐々井智子]
今年の「IAG AWARDS 2025」は見ごたえのある内容で、大賞の柿沼美侑さんを始め、素材の魅力を引き出した作品も多く見られました。その中で「交友会賞」の辻本大樹さんは手のひらに収まるサイズのハードパステル作品による不思議な幻想世界を展開していました。作品が小さいというのはコンクールでは不利な要因になりがちですが、思わず近づいて見入ってしまう密度がありました。副賞として、辻本さんには2026年2月銀座蔦屋書店アトリウムで開催する「美の刻印展」(協賛:協同組合美術商交友会)に作品をご出品いただきます。
今回の入選アーティストみなさまの今後の活動に期待しています!
わんぱく中年とのまる わんぱく中年とのまる
1975年/大阪 出身
主な技法:エクストリーム“こうさく”
[受賞コメント]
この度は八犬堂賞を頂きありがとうございました。
昨年二次審査で落選したのですが、明日館講堂での展示にお声がけ頂けた事が良い経験となり、今年のIAG出展および八犬堂賞に繋がったと感じております。小路さんありがとうございました。
出る側でIAGを体感すると面白い作家さんばかりで、自分ももっともっと作りたいなと刺激を受けました。あと出展作家さんと親密になれてとても楽しく思い出に残る展示となりました。
好きに立ち振る舞える場を提供してくださった運営の方に感謝致します。ありがとうございました。
これからもまだまだ伸びしろたっぷりのわんぱく中年とのまるをどうぞご贔屓に!
[選出: 株式会社 八犬堂 代表取締役 大久保欽也]
「わんぱく中年とのまる」という作家名に一瞬たじろぎましたが、80年代を青春を過ごした私にとって馴染みのある素材を見事21世紀の現代アートに落とし込むセンスはさすがだと思います。
素材の再利用はどうしても「SDGs」や「サステナビリティ」といったワードを連想してしまいますが、そういったコンセプトとは距離を置いた印象を受ける軽やかな作品に好感がもてます。
恐らく今後も、ご本人が興味を引く素材を見つけ、全く違うモノへと変換(構築)させていくのでしょう。
歳を重ねても「わんぱく」を失わないでくださいね。
都市間提携特別賞
豊島区が推進する芸術文化による都市間提携の一環として、提携都市によって授与
黒石 美奈子 黒石美奈子
1982年/山形県 出身
主な技法:銅版画
[受賞コメント]
この度は、裏小樽モンパルナス特別賞に選んで頂きありがとうございました。
額縁で発表してきた銅版画の世界から飛び出して「世界が拡張していく様な作品」を作ってみたいと思い今回IAGに応募しました。
有難いことに小樽での制作や地元の方達と交流ができるアーティストインレジデンスの機会を頂きました。
初めての事で一体何が自分にできるのか…緊張しつつ今からとても楽しみです!
どうぞ宜しくお願い致します。
田村 勇太 田村勇太
1987年/兵庫県 出身
主な技法:アクリル絵の具・油絵具・コールドワックス・モデリングペーストを主に使用した平面作品を制作しています。
[受賞コメント]
この度『掛川市特別賞』を頂戴し、大変嬉しく、また光栄に思っております。この賞には掛川市における文化振興の意味合いがあるとのことで、身の引き締まる思いもまたしております。この度参加したIAG AWARDSでは展示のために比較的大きなスペースを使うことができ、自由度の高い展示が可能でした。そのおかげでスペース的な縛りなく自分の表現したい世界をそこに作ることができたと感じており、それがこの度の賞をありがたくも頂戴することに繋がったのかなと感じています。今回頂いたご縁を大切に、今後も制作に励みたいと思っております。ありがとうございました。
入選作家リスト
※五十音順。サムネイルをクリックすると作品画像を確認できます(準備中)。
国籍・年齢・ジャンルを問わず選抜されたアーティストたちが東京芸術劇場に集結。
「展示力」を審査対象として様々な視点による多様なアワードを授与! 来場者投票によるオーディエンス賞も!!
●主催:池袋モンパルナス回遊美術館実行委員会(NPOゼファー池袋まちづくり/立教大学/東武百貨店/西武池袋本店/豊島区 ほか)
●共催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
●協力:公益財団法人としま未来文化財団
審査員
チーフディレクター
小路 浩 <Hiroshi Shoji> アートディレクター / JIAN 代表
AWARDS
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● IAG賞
IAG大賞、IAG準大賞、IAG奨励賞、審査員賞、漫喜利賞などをIAG審査員団の協議により決定 -
● 豊島区長賞
高際みゆき豊島区長による選出(副賞として豊島区立熊谷守一美術館での個展開催) -
● オーディエンス賞
来場者投票によって選出 -
● IAGパートナーズ各賞
本公募展を応援してくださる豊島区内外のギャラリーなどが選出
東武百貨店アートギャラリー賞/協同組合美術商交友会賞/C-DEPOT賞/WACCA池袋賞/栗原画廊賞/ギャラリー上り屋敷賞/ギャラリー路草賞/B-gallery賞/ターナーギャラリー賞/★GALLERY KAMON Irie 賞/★名村大成堂賞/八犬堂ギャラリー賞 他 -
● 都市間提携特別賞
豊島区が推進する芸術文化による都市間提携の一環として、提携都市によって授与
裏小樽モンパルナス特別賞(アーティスト・イン・レジデンス招待)
長野市芸術館特別賞(長野市芸術館での展示)
掛川市特別賞(掛川市アートフェスタでの展示)
フォトギャラリー
IAG AWARDS 2025 の展示風景です。
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[受賞コメント]
この度は、数ある素敵な作品の中からIAG大賞、並びにB-gallery賞に選出いただき、大変光栄に存じます。作品を評価してくださった審査員の方々、そしてサポートしてくださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。「十二心象土偶」は、十二神将像をモチーフに、それぞれの神様の役割や特徴に自己の心象を重ね、土偶へと再解釈した作品です。展示会を通して、誰かの心のお守りになることができたら嬉しいです。
IAG AWARDSでは、スタッフの皆様も、出展していた作家の皆様もとても温かい方々ばかりで、人同士の繋がりを大切にしている公募展だと感じました。
このような評価を励みに、今後も精進してまいります。
この度は本当にありがとうございました!
[講評: 押元一敏]
土偶のような表現で愛着のある形と土の風合いが心地よい陶器の作品です。工芸をバックグランドに持ち、これまで手がけてきた陶芸品とは別に仏像(十二神将像)と土偶を結びつけて再解釈をすることで独自の表現を生み出しています。聞けば窯ではなく野焼きの手法で制作しており、実際には十二神将というように12体あるようで、それら一つひとつにも焼き方が工夫されて違った表情を見せたり、形も様々であったりすることから造形の原点を見た気がします。身体と自然の力で生み出された造形物を通してそこに込められたエネルギーといったものを考えさせられる作品でした。また、それを誇示せず自然に行っているのも親しみやすさに繋がっているのではないでしょうか。もちろん審査は12体のことは知らずに出品された3点で判断したものですが、完成度の高さは疑う余地もなく、IAG AWARD大賞に相応しいと満場一致で決定しました。